メッセージ - 王が神に逆らう法を発布する時(出エジプト記1:15-22)
礼拝説教メッセージ音声:王が神に逆らう法を発布する時(出エジプト記1:15-22):右クリックで保存
「またエジプトの王は、ヘブルの女のために取上げをする助産婦でひとりは名をシフラといい、他のひとりは名をプアという者にさとして、言った、「ヘブルの女のために助産をするとき、産み台の上を見て、もし男の子ならばそれを殺し、女の子ならば生かしておきなさい。」」(出エジプト記1:15-16)
イスラエル人を過酷な労働で苦しめても、かえってどんどん増えて力を増す彼らを見たエジプトの王(パロ)は、直接的に「殺す」という手段に出て来た。
しかし助産婦達は、王の命令どおりにはしなかった。
なぜなら彼女たちは神を恐れる人だったため、神が祝福された民の男の子を殺すなど出来なかったからである。
『それで神は助産婦たちに恵みをほどこされた。そして民はふえ、非常に強くなった。助産婦たちは神をおそれたので、神は彼女たちの家を栄えさせられた。』(1:20-21)
パロの命令に背く事は命の危険を伴うが、それでも彼女たちは神を恐れる行いを実行したため、神は彼女たちを守り、祝福された。
神がかつて、アブラハムに『あなたを祝福する者をわたしは祝福し、/あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、/あなたによって祝福される」。』(創世記12:3)と言われた通りである。
神の御言葉に反する法律が制定された時、信仰の故に神の言葉のほうを優先させるなら、神はその事で大きく御国を前進させ、そしてその人に朽ちる事の無い冠を授けられる。
ダニエルの時代、ダニエルは王の命令に従わず神を礼拝する事を止めなかったためにライオンの穴に投げ落とされてしまったが、ダニエル自身は御使いによって守られ、逆にダニエルを妬んで御言葉に反する法律を制定した者達がライオンに食われてしまった。(ダニエル6章)
また、ダニエルの3人の友人達(シャデラク、メシャク、アベデネゴ)も、王の作った偶像を拝まないことを明言したため、火の燃え盛る炉に投げ落とされてしまったが、御使いによって守られた。
『総督、長官、知事および王の大臣たちも集まってきて、この人々を見たが、火は彼らの身にはなんの力もなく、その頭の毛は焼けず、その外套はそこなわれず、火のにおいもこれに付かなかった。ネブカデネザルは言った、「シャデラク、メシャク、アベデネゴの神はほむべきかな。神はその使者をつかわして、自分に寄り頼むしもべらを救った。また彼らは自分の神以外の神に仕え、拝むよりも、むしろ王の命令を無視し、自分の身をも捨てようとしたのだ。
それでわたしはいま命令を下す。諸民、諸族、諸国語の者のうちだれでも、シャデラク、メシャク、アベデネゴの神をののしる者があるならば、その身は切り裂かれ、その家は滅ぼされなければならない。このように救を施すことのできる神は、ほかにないからだ」。』(ダニエル3:27-29)
また、ステパノは、パリサイ人達に屈してイエス・キリストを捨てる事無く、かえって大胆にイエスがキリストである事を立証し、また、真理を貫き通してパリサイ人達の偽善を暴いたため、反感を買ってしまい、石打で処刑されてしまった。(使徒6-7章)
彼の場合、この世で報いは受けられなかったが、彼の一件によって福音は大きく前進し、彼の名前は永遠に栄光ある者として残る事になった。
人の権威に屈せず神を敬い通したダニエルも、彼の3人の友人達も、ステパノも、パロに逆らった助産婦シフラとプアも、その名前は永遠に栄光ある者として残る事となったのだ。
パロは、助産婦達が自分の命令どおり動かなかったのを見ると、さらに厳しい命令を下した。
『ファラオは全国民に命じた。「生まれた男の子は、一人残らずナイル川にほうり込め。女の子は皆、生かしておけ。」』(出エジプト記1:22)
今度の殺害命令は、エジプト全国民への命令で、イスラエルの男の子の赤ちゃんは一人残らずナイル川にほうりこむというものである。
多くの男の赤ちゃんが、ナイル川に投げ込まれただろう。
しかし後に、神はモーセを通して、ナイル川を血に変わる災いをエジプトに降し、エジプト人は皆、血に変わった水と相対するはめになった。
血に変わったナイル川の水を見た時、エジプト人は自分が神の民にして来た事を思い出しただろう。
神の民に災いを下す者は呪われ、罪なき者の血を流す者は、その血が頭上に返るのである。
『第三の者がその鉢を川と水の源とに傾けた。すると、みな血になった。それから、水をつかさどる御使がこう言うのを、聞いた、
「今いまし、昔いませる聖なる者よ。このようにお定めになったあなたは、正しいかたであります。聖徒と預言者との血を流した者たちに、血をお飲ませになりましたが、それは当然のことであります」
わたしはまた祭壇がこう言うのを聞いた、「全能者にして主なる神よ。しかり、あなたのさばきは真実で、かつ正しいさばきであります」。』(黙示録16:4-7)
イスラエルに災いをもたらしたエジプトは、その後、災いにつぐ災いに襲われ、徹底的に呪い尽くされてしまった。
ステパノを殺害したユダヤ人たちは、そのすぐ後のユダヤ戦争によって悲惨な死を遂げ、多くのユダヤ人を虐殺したヒトラーも凄惨な最後だった。
信仰を貫き通した神の民は、決して朽ちることの無い栄光を受け、神の民を苦しめ虐待する者達には、悲惨な最後が待っているのである。