メッセージ - ペレツの子ヘツロンの系図から読む、御国の祝福を強奪した子孫の祝福(1歴代誌2:18-55)
ペレツの子ヘツロンの系図から読む、御国の祝福を強奪した子孫の祝福(1歴代誌2:18-55)
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- 執筆 :
- pastor 2017-7-19 9:19
ペレツの子ヘツロンの系図から読む、御国の祝福を強奪した子孫の祝福(1歴代誌2:18-55)
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歴代誌の系図の主人公は、ダビデ王家や祭司の家系であり、前回、それの直系の系図をダビデまで見た。
今回の箇所は、ダビデ王家の父祖・族長ユダが、嫁のタマルとの間に生まれたペレツの子、ヘツロンのいわば傍系の系図である。
ヘツロンの父ペレツは、彼の母タマルの胎にいた時、先に手首だけ出したのに、再び母の胎に入ってしまったゼラフを出し抜いて、先に生まれ出てきた故に、ペレツ(割り込むの意味)という名がつけられた。
母の胎の中のほうが肉的には心地よいかもしれないが、肉の心地よさに浸り込んで、長子の権利を割り込まれてしまったゼラフの系図は、わずかしか記されなかった。
このように、御国は積極的に攻めて勝ち取るものの手によって、奪われるものである。
バプテスマのヨハネの時から今に至るまで、天国は激しく襲われている。そして激しく襲う者たちがそれを奪い取っている。(マタイ11:12)
私達も、御国の事については、貪欲に勝ち取って奪いとって行くべきだ。
歴代誌の系図は、現代の私達の目から見れば、よくわからない名前の羅列で、読んでいるだけでも飽々して来る人もおられるかもしれない。
しかし今回の箇所には、イスラエルにおける重要な地名が幾つか登場し、その地を建て上げた父祖たちが記されているゆえに、当時のユダヤ人にとっては「ああ、あの地は、このような人達が建設したのか」という示唆を与えるものであり、またここは現代を生きる私達に対しても、主を敬う人の子孫はこんなにも数多くなって、読んでいるだけで飽々して来るほどになる、という事が、少なくとも実感できるだろう。
2:18 ヘヅロンの子カレブはその妻アズバおよびエリオテによって子をもうけた。その子らはエシル、ショバブ、アルドンである。
2:19 カレブはアズバが死んだのでエフラタをめとった。エフラタはカレブによってホルを産んだ。
2:20 ホルはウリを生み、ウリはベザレルを生んだ。
ヘツロンの子・ラムが、その後につづくダビデ王家に至る直系であるが、ラムの兄弟・エラフメエルとラムの子々孫々が、18節から55節に至るまで、多数記されている。
2:25 ヘヅロンの長子エラメルの子らは長子ラム、次はブナ、オレン、オゼム、アヒヤである。
エラフメエルの子孫の中には、子がないままで死んだ人もいたり(30,32節)、娘しかいなくてエジプト人の奴隷に娘をめとらせて子孫を産んでいった人もいるが(34節)、それでも多くの子達がエラフメエルから生まれた。
2:42 エラメルの兄弟であるカレブの子らは長子をマレシャといってジフの父である。マレシャの子はヘブロン。
ここに登場するヘツロンの子カレブは、ヨシュア記に登場する有名な信仰者、約束の地をヨシュアと共に信仰によって勝ち取ったあのカレブとは別であると考えられる。
なぜならヨシュア記のカレブは、「エフネの子カレブ」であり、その系図が4:15に記されているからである。
このカレブは、正妻・妾あわせて、多くの子達が生まれ出た。
しかも、その子達には、有力者が多数生まれた。
2:50 これらはカレブの子孫であった。エフラタの長子ホルの子らはキリアテ・ヤリムの父ショバル、
2:51 ベツレヘムの父サルマおよびベテガデルの父ハレフである。
2:52 キリアテ・ヤリムの父ショバル子らはハロエとメヌコテびとの半ばである。
2:53 キリアテ・ヤリムの氏族はイテルびと、プテびと、シュマびと、ミシラびとであって、これらからザレアびとおよびエシタオルびとが出た。
2:54 サルマの子らはベツレヘム、ネトパびと、アタロテ・ベテ・ヨアブ、マナハテびとの半ばおよびゾリびとである。
2:55 またヤベヅに住んでいた書記の氏族テラテびと、シメアテびと、スカテびとである。これらはケニびとであってレカブの家の先祖ハマテから出た者である。
このカレブの子孫からは、ベツレヘムやベテガデル、キルヤテ・ヤリムなど、諸地方の「父」が出、また、氏族の元となる人が出た。
母の胎にいる時から争ってでも御国の祝福を勝ち得たいと行動したペレツの子孫は、とても祝福されている事が、系図からも分かる。
彼らの父祖ヤコブもそうだった。
主は、兄のかかとを掴んで生まれてきたヤコブ、長子の祝福を騙しとってでもつかみとりたいと願ったヤコブが、長子エサウから命を狙われた時、ひとりぼっちで旅しているヤコブに現れて下さった。
28:13 そして主は彼のそばに立って言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが伏している地を、あなたと子孫とに与えよう。
28:14 あなたの子孫は地のちりのように多くなって、西、東、北、南にひろがり、地の諸族はあなたと子孫とによって祝福をうけるであろう。
28:15 わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう」。
この時のヤコブは、杖一本の他は何も持たず、着の身着のまま逃げてきた状態だったが、後に、主は彼を大いに祝福し、二つの陣営を引き連れて帰って来る恵みに与らせてくださった。
まことに、天の御国は行動して奪うものであり、決して口をあけて待っていれば落ちてくるものではない。
むしろ、御国の祝福を得るためにもがかない人は、もがく人によって奪い取られてしまうのだ。