メッセージ - 伝道者の書カテゴリのエントリ
礼拝説教メッセージ音声(音声のみ)
キリスト無き知識は悲しみの集大成(伝道者の書1:12-18)：右クリックで保存
【概要】
伝道者の書1章12-18節を基に、世の知恵の虚しさとキリストの知恵の素晴らしさについて説く。
【聖書箇所】
伝道者の書1:12-18
第一コリント2:6-16
マタイ11:11
【励ましの言葉】
キリストを一心に見つめ続ける者は、世の知恵者よりも偉大です。
【戒めの言葉】
この世の知恵や観察によって救いを得ることはできません。
【＊＊＊詳細＊＊＊】
今日、私たちが恵みをいただく御言葉は、伝道者の書1章12節から18節までです。この箇所は、伝統的にソロモンが書いたとされていますが、その真偽について議論がある部分もあります。しかし、私たちは聖書の権威を信じ、神の言葉として受け取るべきです。
ソロモンは、「天の下で行われる一切のことについて、知恵を用いて一心に尋ね、探り出そうとした」と述べています。しかし、その結果として得たのは、「これは人の子らが労苦するようにと神が与えた辛い仕事だ」という結論でした。
彼は世の中のあらゆることを観察し、論理的に分析しようとしましたが、最終的に「全てが虚しい」という結論に至りました。これは、神抜きで、キリスト抜きでこの世を見ようとするときの必然的な結果です。
聖書は、「風を追うようなものだ」という表現を使っています。ここでの「風」は、ヘブライ語で「ルアハ」といい、神の霊や息吹を意味する言葉です。つまり、神の霊を追い求めようとしても、人間の力だけではそれを捉えることができないという意味が込められています。
イエス・キリストは、ニコデモに対して「人は水と御霊によって生まれなければ、神の国に入ることはできません」と教えました。これは、人間の努力や知恵だけでは神の国に入ることができず、神の働きによる新生が必要であることを示しています。
ソロモンは「曲がっているものを、まっすぐにはできない」と言いましたが、これは人間の罪深さと無力さを表しています。イエス・キリストの十字架と復活によってのみ、私たちは新しい命の道を歩むことができるのです。
第一コリント2章では、パウロが世の知恵と神の知恵を対比しています。「私たちの語るのは隠された奥義としての神の知恵であって、それは神が私たちの栄光のために世界の始まる前からあらかじめ定められたものです」と述べられています。この知恵は、世の支配者たちには理解できないものです。
神の知恵は、「目が見たことのないもの、耳が聞いたことのないもの、そして人の心に思い浮かんだことのないもの」と描写されています。これは、人間の想像を超える素晴らしいものであり、神を愛する者のために備えられているのです。
この知恵を理解するためには、神の御霊が必要です。「神の御心のことは、神の御霊の他には誰も知りません」とパウロは述べています。私たちクリスチャンは、この世の霊ではなく、神の御霊を受けた者たちです。
生まれながらの人間は、神の御霊に属することを受け入れることができません。それは彼らには愚かなことに見えるからです。しかし、御霊を受けている人は全てのことをわきまえることができます。
イエス・キリストは、バプテスマのヨハネについて語る中で、「女から生まれた者の中で、バプテスマのヨハネより優れた人は出ませんでした。しかも、天の御国の一番小さい者でも、彼より偉大です」と言われました。これは、キリストにあって天の御国に属する者の価値が、この世の偉大な人物よりも大きいことを示しています。
【結論】
私たちは、この世の知恵や観察によって真の理解や救いを得ることはできません。むしろ、イエス・キリストを一心に見つめ、御霊に導かれて生きることが大切です。神の御国に属する者として、私たちには世の知恵を超える価値があります。キリストの似姿へと変えられていく中で、永遠の命と祝福を受け取る者となりましょう。
礼拝説教メッセージ音声(音声のみ)
キリスト抜き人間の最終進化形態(伝道者の書1:4-11)：右クリックで保存
【概要】
この説教は、伝道者の書の虚しさの言葉と、キリストにある新しい命の対比について語っています。
【聖書箇所】
伝道者の書1:4-11、詩篇19:1-6、ヨハネ3章、第一コリント15:53-58、イザヤ43:18-19
【戒めの言葉】
神様抜きの人生は虚しく、堂々巡りになってしまいます。
【励ましの言葉】
キリストにあって、私たちは新しく造られ、労苦が無駄にならない希望があります。
【勧めの言葉】
イエス・キリストを求めて歩む道を選び、御霊に導かれる生活をしましょう。
【＊＊＊詳細＊＊＊】
この説教は、伝道者の書1章4-11節を中心に展開されています。説教者は、ソロモンが描く人生の虚しさと、キリストにある新しい命の対比を鮮明に示しています。
まず、伝道者の書の言葉が紹介されます。「一つの時代は去り、次の時代が来る。しかし、地はいつまでも変わらない。」この繰り返しの中に、ソロモンは虚しさを見出しました。しかし、説教者は詩篇19篇を引用し、ダビデが同じ自然現象の中に神の栄光を見出したことを対比させます。「天は神の栄光を語り継ぎ、大空は御手の技を告げ知らせる。」（詩篇19:1）この対比は、神中心の視点と人間中心の視点の違いを明確に示しています。
次に、説教者はヨハネの福音書3章のイエスとニコデモの対話に言及します。風の比喩を用いて、肉的な理解と霊的な理解の違いを説明しています。「風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞くが、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれる者もみな、そのとおりである。」（ヨハネ3:8）
さらに、第一コリント15章を引用し、キリストにある希望を強調します。「朽ちるものは必ず朽ちないものを着なければならず、死ぬものは必ず不死を着なければならない。」（第一コリント15:53）この希望は、伝道者の書の虚しさとは対照的です。
説教者は、イザヤ書43章18-19節を引用し、神が新しいことをされることを強調します。**「先のことを思い出すな。昔のことを考えるな。見よ、わたしは新しいことをする。今、もうそれが起ころうとしている。」**これは、過去にとらわれず、神の新しい働きに目を向けるよう促しています。
説教の中で、説教者は実際の例を挙げて、人間の力による変化の限界と、キリストによる根本的な変革の違いを説明しています。人間の努力による変化は表面的で一時的なものに過ぎませんが、キリストによる変革は全人格的で永続的なものだと強調しています。
最後に、説教者は聴衆に対して、キリストにある新しい命を生きるよう勧めています。**「どうか皆さんは、イエス・キリスト抜きの頑張りの人生ではなく、イエス・キリストありの楽な人生を歩んでください。」**この言葉は、福音の核心を表しています。
【結論】
この説教は、伝道者の書の虚しさの言葉を出発点としながら、キリストにある新しい命と希望を対比させることで、福音のメッセージを力強く伝えています。人間の限界を認識しつつ、神の恵みによる根本的な変革の可能性を示し、聴衆に対してキリストを中心とした生き方を選択するよう促しています。
礼拝説教メッセージ音声(音声のみ)
伝道者の書概要(伝道者1:1-3)：右クリックで保存
【概要】
伝道者の書の学びを始め、その背景と主題である「空の空」について解説しています。
【聖書箇所】
伝道者の書1章1-3節
第一列王記3章、11章
詩篇127篇
コロサイ人への手紙2章8-10節
【励ましの言葉】
キリストにあって私たちは満ち満ちており、虚しさから解放された喜びと祝福の人生を歩むことができます。
【戒めの言葉】
神様から離れ、この世の知恵や富だけを追い求めることの虚しさと危険性を警告しています。
【＊＊＊詳細＊＊＊】
伝道者の書の学びが始まりました。この書は、「空の空、すべては空」というフレーズで知られる、聖書の中でも特異な書物です。
まず、伝道者の書1章1-3節を見てみましょう。
エルサレムの王、ダビデの子、伝道者の言葉。空の空、伝道者は言う。空の空、すべては空。日の下でどんなに労苦しても、それが人に何の益になろう。
この「空」（むなしい）という言葉は、へブル語で「ヘーベル」と言い、旧約聖書全体で64回使われていますが、そのうち38回もこの伝道者の書で使用されています。これは、伝道者の書の主題が「むなしさ」であることを示しています。
しかし、ここで注目すべきは「日の下で」という表現です。これは「この世において」という意味であり、神様を除いた世界での労苦の虚しさを語っているのです。
では、なぜこのような虚しさに満ちた書が聖書に含まれているのでしょうか。それを理解するために、この書の著者とされるソロモンの人生を振り返ってみましょう。
第一列王記3章を見ると、若いソロモンは神を愛し、父ダビデの掟に従って歩んでいました。神は彼に何でも欲しいものを願うように言いましたが、ソロモンは自分のために長寿や富を求めず、民を正しく治めるための知恵を求めました。神はこれを喜び、知恵だけでなく富と誉れも与えました。
「見よ、私はあなたに知恵の心と判断する心とを与える。あなたの先にあなたのようなものはなく、後にもあなたのようなものは起こらない。」（第一列王記3:12）
しかし、第一列王記11章を見ると、ソロモンの晩年の姿は大きく変わっていました。
「ソロモン王は、パロの娘のほかに多くの外国の女を愛した。...彼には700人の王妃と300人の側室があった。その妻たちが彼の心を転じた。ソロモンが年をとったとき、その妻たちが彼の心を他の神々の方へ向けたので、彼の心は父ダビデの心とは違って、彼の神、主と全く一つにはなっていなかった。」（第一列王記11:1-4）
ソロモンは神から離れ、偶像礼拝さえも行うようになりました。その結果、神の怒りを買い、王国は分裂することになります。
このようなソロモンの人生の軌跡を踏まえて伝道者の書を読むと、この書が神から離れた人間の知恵の限界を示していることがわかります。人類史上最も知恵のあった人物でさえ、神なしでは「空の空」という結論に至るのです。
ここから私たちが学ぶべき教訓は明確です。どんなに知恵や富があっても、それだけでは真の満足や人生の意味は見出せないということです。イエス・キリストを抜きにした人生は、結局のところ虚しさに行き着くのです。
これは、コロサイ人への手紙2章8-10節の言葉とも呼応しています。
「この虚しい欺きの哲学によって、誰かの虜にならないように気をつけなさい。そのようなものは、人間の伝統や、この世の幼稚な教えに基づくものであって、キリストに基づくものではありません。キリストのうちには、神性の完全さがすべて宿っているのです。そして、あなたがたは、キリストにあって満たされているのです。」
つまり、伝道者の書は、人間の知恵の限界を示すことで、逆説的に神の知恵とキリストの必要性を明らかにしているのです。
私たちがこの書から学ぶべきことは、世俗的な成功や知識の蓄積だけを追い求めることの危険性です。代わりに、キリストにある豊かさと満足を求めるべきです。詩篇127篇が教えるように、「主が家を建てるのでなければ、建てる者の労苦はむなしい」のです。
【結論】
伝道者の書は、神なき人生の虚しさを描くことで、逆に神と共に歩む人生の価値を浮き彫りにしています。私たちは、この世の知恵や富に頼るのではなく、キリストにあって満たされた人生を歩むべきです。そうすることで、真の意味と目的を見出し、喜びと祝福に満ちた人生を送ることができるのです。
