メッセージ - 祝福を得るためのキーアイテム(創世記27:18-29)
礼拝説教メッセージ音声:祝福を得るためのキーアイテム(創世記27:18-29):右クリックで保存
自分は兄エサウであると偽って父の前に出たイサクは、ついに、一家の長子が継ぐべき祝福を奪ってしまった。
父親を騙す事は罪であり、それによってヤコブは罪の刈り取りをしてしまった事を、前回見た。
今回は視点を変えて、本来祝福を受けるべきでない者は、いかにして祝福を勝ち取る事ができるのか、という視点で、見て行きたい。
本来祝福を受け継ぐべき者が祝福を受けられず、本来祝福を受継ぐべきでない者が祝福を受け継いでしまう。
人は、それを「不当だ」「ずるい」と言う。
それなら、最も「不当」な扱いを受けたのはキリストであり、祝福を受け継いだキリスト者は、皆「ずるい」。
なぜなら私達は、本来祝福を受けるべきではない罪人であったのに、祝福を受け継ぐ者とされてしまい、キリストが呪われた者とされてしまったのだから。
祝福を受ける為の重要なキーアイテムは、「動物の毛皮」と「晴れ着」、用意された「ごちそう」と「ぶどう酒」、そして、着物の「香り」である。(創世記27:18-29)
まず、ヤコブに必要だったものは、「動物の毛皮」だった。
毛皮を得るには、その動物の犠牲が必要である。
アダムとエバはエデンを追い出される時、裸のままでは追い出されず、動物の毛皮を着せられ、裸が覆われ、恥ずべき部分が覆われた。
また、アベルの捧げ物が受け入れられたのは、犠牲があったからである。
私達も、屠られた子羊キリストの犠牲によって「キリストという衣」が得られ、それを着る事によって、御父の実前に出ることができるのである。
「あなたがたは皆、信仰により、キリスト・イエスに結ばれて神の子なのです。洗礼を受けてキリストに結ばれたあなたがたは皆、”キリストを着ている”からです。
・・・あなたがたは、もしキリストのものだとするなら、とりもなおさず、アブラハムの子孫であり、約束による相続人です。」(ガラテヤ 3:26-29)
ヤコブは動物の毛皮を着た事によって、父の疑惑を避けられ、それ故に、アブラハムの祝福を受けるべき子と認定された。
同様に私達も、キリストを着る事によって、アブラハムの子孫としての祝福を受ける者となれるのである。
もう一つの重要アイテムは、「晴れ着」である。
マタイ22章1-14節には、王子の結婚の披露宴のたとえが記されており、そこにも礼服(晴れ着)が登場する。
たとえの中で、あらかじめ招待されていた客たちは、この宴会をあなどってしまい、ある者は畑に、ある者は商売に出かけてしまい、結局彼らはその宴会にあずかる事は出来なくなってしまった。
彼らは、長子の権利をあなどったエサウに、実に良く似ている。
そして、本来招かれざる者たちが招かれ、招きに応じた者達は、たとえ良い人でも悪い人であっても、宴席に連なる事が出来た。
ただし、「礼服(晴れ着)」を着ていない者は追い出されてしまう。
当時、王が宴会に招く時は、客人に礼服(晴れ着)を支給し、「これを身に着けて宴会に来て下さい」と言ったようである。
王から「礼服」が支給されているのに、それを一蹴し、自前の好きなファッションで参加してしまうなら、追い出されてしまうのだ。
きっとヤコブも、兄の晴れ着を着ずに父の前に出ていたら、呪われて外の暗闇に追い出されていたであろう。
私達もまた、天の王の宴会に参加する時、天の王から支給された「キリストという贖いの衣」を身に着けて行かないなら、外の暗闇に追い出されてしまうのだ。
ヤコブはまた、父の好みを良く知っている母リベカに父の好きな「ごちそう」を用意され、それを父に差し出し、また、「ぶどう酒」を飲ませた。
私達も、御父の思いを良く知っておられる聖霊によって用意された捧げ物、すなわち、キリストが十字架で裂かれた肉という「まことの食物」を差し出し、また、キリストの血という、「まことの飲み物」を差し出すなら、それによって御父は満足されるのだ。
そしてイサクは着物の「香り」をかぎ、それが祝福を与える決定打となった。
雅歌4章10-16節にも、香りの重要さが示されている。
雅歌に登場する花嫁は、王である花婿から支給された飾りと香油を身につけ、そうして王の前に出た時、王は花嫁のとりことなり、最高の賛辞を送った。
わたしたちは、自分のがんばりや努力という汗くささを帯びて主の御前に出てはならない。
人間的ながんばりや努力は捨て去り、王から支給された「キリストという贖いの衣」を身に着け、キリストが自らの体をもって捧げられた「なだめ香り」を放ちつつ、御前に出るべきである。
そうするならば、御父はキリストのなだめの香りによってなだめられ、祝福を与えて下さるのである。
『ヤコブが近寄って口づけをすると、イサクは、ヤコブの着物の匂いをかいで、祝福して言った。
「ああ、わたしの子の香りは/主が祝福された野の香りのようだ。どうか、神が/天の露と地の産み出す豊かなもの/穀物とぶどう酒を/お前に与えてくださるように。多くの民がお前に仕え/多くの国民がお前にひれ伏す。お前は兄弟たちの主人となり/母の子らもお前にひれ伏す。お前を呪う者は呪われ/お前を祝福する者は/祝福されるように。」』(創世記27:27-29)
キリストの裂かれた体という贖いの衣を身に着け、キリストの体というまことの食物、キリストの血というまことの飲み物を携え、キリストが自らの体をもって捧げられた「なだめ香り」を放ちつつ、御前に出る事によって、ヤコブが父イサクから祝福を与えられたように、天の父から祝福をいただく皆さんでありますように。
イエス様の名前によって祝福します!