メッセージ - 契約の箱に見るキリストのご性質(出エジプト記25:10-22)
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今回の箇所は、契約の板を入れるための箱(契約の箱、英語:ark)を造る際の指示であるが、この箱の性質は、イエス・キリストの性質である。
契約の箱は、アカシヤ材を元にして造られる。
アカシヤは砂漠地方に育つ木で、密度のある頑丈な木で、とげばっており、材木としてはあまり適した木ではないが、この木はイエス・キリストの人間性をあらわしている。
『彼は主の前に若木のように、かわいた土から出る根のように育った。彼にはわれわれの見るべき姿がなく、威厳もなく、われわれの慕うべき美しさもない。』(イザヤ53:2)
また、アカシヤ材は純金で覆われるが、純金は神の性質である。
つまり、イエスキリストの、神であり人としての二面性が、ここに示されているわけである。
この箱の四隅には、輪が取り付けられ、そこにさおを通し、日本の神輿のように担ぐ事によって持ち運びが可能となっている。(出エジプト記25:12)
そのようにするのは、持ち運びの便宜のためだけではない。この箱は神聖なものであり、神が示した手順によって扱わないならその人は死ぬ他に無く(1サムエル6:19、2サムエル6章)、そのような事の無いためである。
キリストは人として来られ、ヨハネもキリストをじっと見、手で触った。(1ヨハネ1:1)人としてのキリストは、そのように親しく私達と交われるお方であるが、キリストの神としての栄光の御姿を見た時、ヨハネは倒れて死人のようになってしまった。(黙示録1:17)
神は祝福に満ちた唯一の主権者、王の王、主の主、ただひとり死のない方であり、近づくこともできない光の中に住まわれ、人間がだれひとり見たことのない、また見ることのできない方(1テモテ6:15-16)である。
『また純金の贖罪所を造らなければならない。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半。』(出エジプト記25:17)
この「贖罪所」または贖罪蓋(ギリシア語:ヒラステリオン)は、律法の石板が人に直接触れないようにするための「覆い」である。
これもまた、贖いの衣であるキリストを表している。
キリストは、聖なる御言葉の剣が人に直接触れて死んでしまわないようにするための、神と人との間の覆いとなっておられるのだ。
『すべての人は罪を犯したため、神の栄光を受けられなくなっており、彼らは、価なしに、神の恵みにより、キリスト・イエスによるあがないによって義とされるのである。
神はこのキリストを立てて、その血による、信仰をもって受くべき「あがないの供え物(ヒラステリオン:贖いの蓋、贖罪蓋)」とされた。それは神の義を示すためであった。すなわち、今までに犯された罪を、神は忍耐をもって見のがしておられたが、それは、今の時に、神の義を示すためであった。こうして、神みずからが義となり、さらに、イエスを信じる者を義とされるのである。』(ローマ3:23-26)
姦淫の現場で捕らえられた女が、イエス様の前に引きずり出された時、イエス様は地面に指で書いておられたが(ヨハネ8章)、神の指で書かれた律法に従って人が裁かれるなら、誰しも、死ぬ他に無い。
その女も、彼女を訴えた者も、傍観して面白がっていた者も。
しかし、主イエスは全ての人の罪を覆い、ご自身を通して神と和解をするようにと、全ての人に促しておられるのだ。
「こういうわけで、私たちはキリストの使節なのです。ちょうど神が私たちを通して懇願しておられるようです。私たちは、キリストに代わって、あなたがたに願います。神の和解を受け入れなさい。」(2コリント5:20)