メッセージ - 祭司が身に付けるべきもの(出エジプト記28:31-43)
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続いて、大祭司がエポデの下に着る青服についての指示である。
『あなたはまた、エポデに属する上服をすべて青地で作らなければならない。頭を通す口を、そのまん中に設け、その口の周囲には、よろいのえりのように織物の縁をつけて、ほころびないようにし、そのすそには青糸、紫糸、緋糸で、ざくろを作り、そのすその周囲につけ、また周囲に金の鈴をざくろの間々につけなければならない。
すなわち金の鈴にざくろ、また金の鈴にざくろと、上服のすその周囲につけなければならない。アロンは務の時、これを着なければならない。彼が聖所にはいって主の前にいたる時、また出る時、その音が聞えて、彼は死を免れるであろう。』(出エジプト記28:31-35)
このエポデの下に着る服は、天の色・青で、襟はほころびないように鎧のように縁がついている。
これは、決してほころびたり色あせたりする事の無い、天で執り成しておられる大祭司イエスキリストの永遠性をあらわしている。
その裾には、金のすずとざくろが交互に取り付けられ、大祭司が動く時、このすずが鳴るようになっている。
伝承によれば、大祭司が至聖所に入る時、ひもで結ばれて入ったようである。それは、万一何かの間違いを起こし、大祭司が聖所で主に打たれて死んでしまっても、ひもを引っ張って引きずり出せるようにするためである。
それほど、大祭司には重大な責任が伴ったのである。
年に一度の贖罪日、大祭司は洗盤で身を清め、祭壇上のいけにえをほふり、祭壇の周りに血を注ぎ、残りの血を器の中に入れ、それを携えて至聖所へと入って行く。
外の大庭では、大祭司が贖いのつとめを果たすのを待つイスラエルの民は、大祭司の青服のすそにつけられた鈴の音を耳にしながら、無事につとめを果たす事を祈りつつ待っている。
そして大祭司が契約の箱の贖罪蓋に血を注ぎ終わり、一切の贖いのつとめを成し遂げ終わると、大祭司はひもを引きずりながら民の前に戻って、「テテレスタイ!(完了した)」と叫んだ。
同じように、キリストは、ご自分の血によって、ただ一度、まことの聖所にはいり、永遠の贖いを成し遂げられ(ヘブル9:12)、全人類の贖いが終わった時、「完了した」と叫ばれた。(ヨハネ19:30)
大祭司はまた、ひたいに純金の札がつけられる。その時、大祭司は全ユダヤ人の罪咎を代表して負っており、この札をつけて御前に出て、贖いのつとめを為したなら、ユダヤ人全体の罪咎もまた贖われた事になる。(出エジプト記28:36-38)
同じように、キリストも十字架にかけられた時、「これはユダヤ人の王イエス」と書かれた札が掲げられ、ユダヤ人だけでなく全人類の罪咎を代表して負い、贖いのつとめを完全に成し遂げられたのだ。
大祭司は他にも、市松模様の長服、亜麻布のかぶり物、色とりどりに織られた飾り帯を身につけており、他の一般の祭司たち(アロンの子ら)とは一線を画していた。アロンの子らと呼ばれる一般の祭司たちは、もっとシンプルな格好だったようである。(出エジプト記28:39-40)
『アロンとその子たちは会見の幕屋にはいる時、あるいは聖所で務をするために祭壇に近づく時に、これを着なければならない。そうすれば、彼らは罪を得て死ぬことはないであろう。これは彼と彼の後の子孫とのための永久の定めでなければならない。』(出エジプト記28:43)
先にも書いた通り、祭司たちのつとめは栄光であると共に、重大な責任が伴われるものであり、主に命じられた事をおろそかにしてしまうと、主に打たれて死んでしまうものであった。
私達も主イエスにあって王族の祭司とされたからには、御言葉に正しく従い、この祭司としての栄えあるつとめを、決しておろそかにすることなく、誠実に為さなくてはならない。