メッセージ - 同じ羊から共に食べる(出エジプト記29:22-34)
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引き続き「任職の雄羊」について。
『あなたはまた、その雄羊の脂肪、脂尾、内臓をおおう脂肪、肝臓の小葉、二つの腎臓、その上の脂肪、および右のももを取らなければならない。これは任職の雄羊である。』(出エジプト記29:22)
雄羊のこれらの部分、および、主の御前にある三種のパンの一個ずつを、アロンとその子達が取り、それを主の御前に揺り動かして、焼いて捧げる。
この、揺り動かして捧げる「揺祭(wave offering)」は、ある説では前後左右の四方向に、ある説では前後方向に動かすと言われているが、いずれにせよ、水平方向に揺り動かすようである。
そうしてから祭壇の上で焼いて煙にし(火祭)、主の前に、なだめのかおりとする。(出エジプト記29:23-25)
これらは、主に対して捧げられるものである。
また、主に捧げた「任職の雄羊」のうち、胸の部分は、主の御前で揺り動かしてから、祭司の食物となる。ももの部分も同じように、祭司の食物となる。(出エジプト記29:26-28)
なお、「献納物」あるいは「奉納物」と訳されている捧げものは、垂直方向に神に向かって持ち上げて捧げるささげもの(heave offering)である。
このように、同じ羊の、ある部分は神のものとなり、ある部分は人のものとなる事によって、神と人とがおなじ羊から共に与り、それによって、神と人とが一つとなって交わるのである。
この雄羊の性質は当然、小羊なるイエス・キリストをあらわしている。
キリスト者は、キリストのからだである聖餐のパンに与るとき、同じパンから共に食べ、キリストの血である盃に与るとき、同じ盃から共に飲む。
それよって神と一つになり、共にキリストのひとつ体となり、神に仕える者、神の祭司とされるのである。
大祭司アロンの聖なる装束は、代が変わったら新しく作り直すものではなく、代々受け継がれるべきもので、任職の都度、血と油を注いで受け継がれていく。
大祭司である父親が、子に職務を受け継がせる時、それには七日間必要で、新しく任命される者は、七日の間、その特別な装束を着なければならない。(出エジプト記29:29-30)
祭壇で焼きつくす任職の雄羊の捧げ物は、主に対して捧げるのに対し、煮るものは祭司のものとなる。祭司はその肉を、かごのパンと一緒に食べなければならない。
そしてそれは、任職される祭司のみが食べて良い聖なるもので、他の人は食べてはならない。(出エジプト記29:31-34)
このように、祭司として聖別された者のみがあずかれる食物がある。
聖餐式のパンと盃は、身代わりとなって死んで下さったキリストにあって聖別された人のみが与ることのできる特別な食物である。
私達キリストは、主にあって、隠れた真の食物によって養われる特権が与えられたのである。