メッセージ - 主の例祭 - 過越祭・除酵祭・初穂の祭り(レビ記23:4-14)
礼拝説教メッセージ音声:主の例祭 - 過越祭・除酵祭・初穂の祭り(レビ記23:4-14):右クリックで保存
『その時々に、あなたがたが、ふれ示すべき主の定めの祭なる聖会は次のとおりである。正月の十四日の夕は主の過越の祭である。』(レビ記23:4-5)
続いて、年ごとの祭りの規定が続くが、今回は特に、アビブの月(ユダヤの第一月、太陽暦では三、四月)に続けて行われる三つの祭りについて見て行きたい。
この、年ごとの祭り中で、最も先に定められている大切な祭りは、過越の祭、すなわち、主がイスラエルの民をエジプトから脱出させたその日を記念する祭りである。
この祭りの特徴は、まず小羊をほり、その血を、家のかもいと門柱にしるしとしてつけ、家の中で、そのほふられた小羊を食す事である。
主はこの月を一年のはじめと定めた程に、出エジプトとその祭りの内容を重要なものと定義されたが、実は、それはイスラエル民族だけでなく、全被造物にとって、重要な出来事である。
なぜなら、このほふられた小羊は、十字架につけられたイエスキリストをあらわしており、全被造物が、このほふられた小羊キリストによって、救いを得るからである。
詳細:出エジプト記12章 http://voice.of.christ.yokohama/modules/d3blog/details.php?bid=1224
この、過越祭の小羊を食すその日を起点として、七日間の「種入れぬパンの祭り(除酵祭)」が始まる。
『またその月の十五日は主の種入れぬパンの祭である。あなたがたは七日の間は種入れぬパンを食べなければならない。その初めの日に聖会を開かなければならない。どんな労働もしてはならない。あなたがたは七日の間、主に火祭をささげなければならない。第七日には、また聖会を開き、どのような労働もしてはならない』」。』(レビ記23:6-7)
この祭りの最初の日に、家の中からパン種を徹底して取り除き、続く七日の期間中、どんな仕事もしてはならず(その食事を作る事以外)、種を入れぬパンを食べつつ、安息する。
パン種は、聖書では良くない意味として用いられる。なぜなら、パン種は生地を発酵させて外見を膨らまし、純粋さを失わせるからだ。
また、このパンは、「悩みのパン」とも呼ばれ(申命記16:3)、苦菜が添えられて食べる。
イスラエル民族は、この期間、この純粋な「悩みパン」のみを食べ続ける事によって、純粋な御言葉のみによって養われる事を学び、自分達もかつてエジプトの地で悩んでいた所、主が大いなる救いによって救って下さった事を、覚えるのである。
また、この「悩みのパン」を食べる時期は、ちょうどキリストが苦難を受けられた時期とも一致しており、苦難を受けられたキリストをもあらわしている。
もう一つ、続けて行われる祭りに、初穂の祭りがある。
『主はまたモーセに言われた、「イスラエルの人々に言いなさい、『わたしが与える地にはいって穀物を刈り入れるとき、あなたがたは穀物の初穂の束を、祭司のところへ携えてこなければならない。彼はあなたがたの受け入れられるように、その束を主の前に揺り動かすであろう。すなわち、祭司は安息日の翌日に、これを揺り動かすであろう。』(レビ記23:9-11)
この祭りは、過ぎ越のいけにえが捧げられた安息日の翌日に行われる。
すなわち、受難日の後の最初の日曜日、教会暦で言う所の、イースターの日である。
『またその束を揺り動かす日に、一歳の雄の小羊の全きものを燔祭として主にささげなければならない。その素祭には油を混ぜた麦粉十分の二エパを用い、これを主にささげて火祭とし、香ばしいかおりとしなければならない。またその灌祭には、ぶどう酒一ヒンの四分の一を用いなければならない。あなたがたの神にこの供え物をささげるその日まで、あなたがたはパンも、焼麦も、新穀も食べてはならない。これはあなたがたのすべてのすまいにおいて、代々ながく守るべき定めである。』(レビ記23:12-14)
ここで捧げられるいけにえは、過越の小羊と同じ、傷のない一歳の雄であり、これもまたキリストをあらわしている。
キリストは、十字架上で神に捧げられ、そして私達キリスト者の「復活の初穂」として、神に捧げられた。
以上、これら続けて行われる三つの祭りは全て、時期的にも、内容も、キリストの苦難と復活とに一致している。
神は、キリストがあらわれる何千年も前に、既に、キリストを予型した祭りを定めておられ、イスラエル民族がその祭りを行う度に、キリストのご性質を実演して見せ、キリストの特徴を都度、あらわしていたわけである。
まことに律法は、私達をキリストへと導く養育係である。(ガラテヤ3:24)