メッセージ - のろいの明細 1(レビ記26:14-22)
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14節以降は、主に聞き従わない場合に振りかかる呪いの明細である。
呪いを招いてしまうための条件が、以下の二節である。
『しかし、あなたがたがもしわたしに聞き従わず、またこのすべての戒めを守らず、わたしの定めを軽んじ、心にわたしのおきてを忌みきらって、わたしのすべての戒めを守らず、わたしの契約を破るならば』(レビ記26:14-15)
祝福を受ける条件もわずか二節のみであったが、呪いを受ける条件も二節のみ、非常にシンプルではあるが、人は、シンプルであれば守れる、というものではないようである。
アダムとエバの時も、たった一つの「してはならない」さえ守らなかった。
そして主はまた、アダムとエバの時のように、「してはならない」をしてしまったら何が起こるかを、詳細に、具体的に示された。
呪いが振りかかる場合、少しでも「してはならない」を破ってしまったら、即座にありとあらゆる災いが降りかかるものではなく、徐々に、段階的に災いの度合いが重くなっていくものである。
主の御声に聞き従わないなら、まず、これこれの災いが降りかかり、それでも聞き従わないなら、七倍重い災いが降りかかり、それでも聞き従わないならもっと重く、、、といった形で、五段階に渡る災いが、ここで示されている。
そのまず第一段階の呪いは、身も心も「病む」事である。
『わたしはあなたがたにこのようにするであろう。すなわち、あなたがたの上に恐怖を臨ませ、肺病と熱病をもって、あなたがたの目を見えなくし、命をやせ衰えさせるであろう。あなたがたが種をまいてもむだである。敵がそれを食べるであろう。わたしは顔をあなたがたにむけて攻め、あなたがたは敵の前に撃ちひしがれるであろう。またあなたがたの憎む者があなたがたを治めるであろう。あなたがたは追う者もないのに逃げるであろう。』(レビ記26:16-17)
ここの「肺病」は「憔悴」あるいは「消耗」とも訳せ、「熱病」は「激怒」「興奮」とも訳せる。
御声に聞き従わない者は、諸々の病を患う他、情緒が不安定になって、視力も見識も悪くなり、嫌な敵が栄えて支配するようになり、訳も分からない漠然とした恐怖感に支配され、追われてもないのに逃げるようになるのだ。
『人の霊(ルアッハ:神の息)は病にも耐える力があるが/沈みこんだ霊(破綻してしまった神の息)を誰が支えることができよう。』(箴18:14 新共同訳)
人の内で神の息がしっかり息吹いているなら、どんな病にも耐えぬく力があるが、その、全能者の息が破綻してしまっていたら、どんな些細な事でも恐怖し、すぐに心がしおれてしまうものである。
アダムとエバは、善悪を知る木から取って食べた時、息吹かれていた神の息が破綻し、恐怖に襲われ、神との正常な関係が持てなくなってしまった。
そこから救われるには、「神から離れた善悪判断」を止め、与えられている御声に聞き従い、イエスキリストにあるいのちの路線へと回帰する事である。
そのような災いに遭っても、懲りずに主の御声に聞き従わないなら、第二段階の呪い、すなわち、「作物の不作」が来る。
『それでもなお、あなたがたがわたしに聞き従わないならば、わたしはあなたがたの罪を七倍重く罰するであろう。わたしはあなたがたの誇とする力を砕き、あなたがたの天を鉄のようにし、あなたがたの地を青銅のようにするであろう。あなたがたの力は、むだに費されるであろう。すなわち、地は産物をいださず、国のうちの木々は実を結ばないであろう。』(レビ記26:18-20)
ここの「七倍重く罰する」は「七倍(七回)懲らしめることを増し加える(繰り返す)」という意味である。
主に対して心頑なで、有用な御霊の実を実らせない者に対しては、天もその人に対して頑なに雨を降らせないようになり、土地もその人に対して頑なになって実りを与えないようになる。
それでも懲りずに、主の御声に聞き従わないなら、第三段階の呪い、すなわち、「野獣」が横行する。
『もしあなたがたがわたしに逆らって歩み、わたしに聞き従わないならば、わたしはあなたがたの罪に従って七倍の災をあなたがたに下すであろう。わたしはまた野獣をあなたがたのうちに送るであろう。それはあなたがたの子供を奪い、また家畜を滅ぼし、あなたがたの数を少なくするであろう。あなたがたの大路は荒れ果てるであろう。』(レビ記26:21-22)
実際、サムソンの時代やヤロブアム王の時代などの不従順な世代では、獅子や熊が横行し、往来を行き来するのも危険であった。
結局、自分の中から頑なさを降ろし、神から離れた善悪判断を止め、主の御言葉に従順し、服従するに限る。
それでも聞き従わないとしたら、主はさらなる災いが下ることを、あらかじめ示されている。