メッセージ - 栄光の家系の女達 - マリヤ4 皇帝アウグスト vs 乙女マリヤ(ルカ2:1-7)
栄光の家系の女達 - マリヤ4 皇帝アウグスト vs 乙女マリヤ(ルカ2:1-7)
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『そのころ、全世界の人口調査をせよとの勅令が、皇帝アウグストから出た。』(ルカ2:1)
この皇帝アウグストは、ローマ帝国の初代皇帝で、強大な権力と強力な軍隊を持ち、莫大な富を貯え、人々から「神の子、救い主」と呼ばれ、彼が赦免を告知することを人々は福音と言った。
とは言っても、それは武力による支配、十字架刑に象徴される恐れと刑罰を伴った強制的な支配であった。
それはキリストの支配、すなわち、平和と自由、愛による喜びの支配とは、全く逆の支配である。
そのアウグストが、人口調査せよとの勅令を出した場合、属国であるイスラエルの人は皆、それに従う以外には無かった。いかに、臨月に差し掛かっているマリヤと言えども。
マリヤ達が住んでいたナザレからベツレヘムまでは、百キロ以上ある。車も無い当時、妊娠し臨月になっていたマリヤにとって、かなり過酷な旅だった事は、容易に想像がつく。
思えば、マリヤにとってのクリスマスは、一番嫌なタイミングの時に、大変な思いばかりしている。
婚約中という最もセンシティブなタイミングに身ごもり、もうすぐ生まれるというタイミングで皇帝から勅令が出て、臨月中に長旅をしなくてはならなくなった。また、イエス様が生まれてまだ間もない時に、御使いのヨセフへのお告げで、着の身着のままでエジプトへ逃げなくてはならなかった。
これは、よほど御言葉に対する「従順力」が無ければ出来ない事だ。だからこそ、マリヤは選ばれたのだ。
マリヤのような栄誉と幸いに与れる人とは、どんな時でも主の御言葉に従順する人だと私達は学んでいる。
人は思うかもしれない。自分はマリヤのような特別な栄誉はいらない、マリヤのような試練にあうくらいなら、もっと凡人の、普通でささやかな人生を送れるなら、それでいい、と。そのような心配は、無用である。
主は私達に耐えられないような試練に遭わせたり、負いきれないような重荷を負わせるお方ではない。
私達の分に応じた役割と、ご計画を立てておられるのだ。いずれにせよ、御言葉に対する従順こそが、何よりの幸いの秘訣であり、御言葉への不従順こそ、何よりの不幸の元である。
私達は、日々の小さな従順を積み重ねていけば良い。それは積もり積もって大きな栄誉へと育って行く。
そして主は、誰もが目を見張って憧れるローマ皇帝よりも、主に対するつつましやかな従順を積み重ねる無名な信仰者にこそ、目を留められ、彼らを守り、導き、後には栄光の内に受け入れて下さるのだ。
皇帝アウグストとマリヤ、この二人を比べるなら、当時のマリヤは、無きも同然の弱く無名な者だったが、今、全世界に対し、また全歴史に対して、より影響力を与えた人は、どちらだろうか?
きっと、キリスト教を信じていない人でも、多くはマリヤだと答えるだろう。
事実、世界史は、マリヤが御言葉に従順した結果、生まれたイエス・キリストによって、大転換を迎える。
キリストの生まれる前はB.C.で「キリストの前」の意味、生まれた後はA.D.で「主の年に」の意味である。
そしてイエスを信じた人の一体、何十億の人生が、また社会が、そして国々が、光へと変えられただろうか。
同じように、無名な私達が、主に対して従順し服従する事によって、世界が、時代が動くのである。
マリヤのこの従順によって、およそ八百年前の預言、「イスラエルの支配者になる者ベツレヘムから出る。その出ることは、昔から、永遠の昔からの定めである。」(ミカ5:2)が成就し、そして「彼は大いなる者となって、(支配は)地の果にまで及ぶ」(同4節)という預言は、これからも成就して行くのである。
主は、永遠の昔から定められた事を成就させるために、アウグストを立て、動かし、聖徒のためには星をさえ動かす。主のなさる事は、時に、人の目には「どうしてこんなタイミングで?」と思う事もあるかもしれない。
しかしそれは、主が永遠の昔から私達に立てている将来と希望のご計画を成就されるためのものなのだ。
そして、主に対する聖徒の祈りと、その従順な行動は、世界を動かし、歴史を動かすのである。
どういう訳か主は、主を信じ御言葉に従順する人の祈りや行動を通して、世に関与され働かれる。
人は、この世においてアウグストのように強く、有名で、金持ちで、権力者になりたがる欲求が、少なからずあるが、主が現れ力を働かされるのは、その正反対にいる人達である。
支配権を主に明け渡して、主の前にへりくだる人達にこそ、主は現れ、力を働かれるのである。
そういう人は、真理と永遠の観点から見れば、世間の支配者よりも、より大きな影響力を持っているのだ!