メッセージ - モーセが示した十戒の第三と第四(申命記5:11-15)
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十戒で三番目に重要な事は、主の御名をみだりに唱えてはならない、という事である。
『あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。主はその名をみだりに唱える者を罰しないではおかないであろう。』(申命記5:11)
主の御名を乱発すると同時に、不誠実な行いも乱発して、主を貶めている人は確かにいるが、主はそのような者に言われる。
『お前はわたしの掟を片端から唱え/わたしの契約を口にする。どういうつもりか。お前はわたしの諭しを憎み/わたしの言葉を捨てて顧みないではないか。盗人と見ればこれにくみし/姦淫を行う者の仲間になる。悪事は口に親しみ/欺きが舌を御している。座しては兄弟をそしり/同じ母の子を中傷する。
お前はこのようなことをしている。わたしが黙していると思うのか。わたしをお前に似たものと見なすのか。罪状をお前の目の前に並べて/わたしはお前を責める。神を忘れる者よ、わきまえよ。さもなくば、わたしはお前を裂く。お前を救える者はいない。告白をいけにえとしてささげる人は/わたしを栄光に輝かすであろう。道を正す人に/わたしは神の救いを示そう。」』(詩篇50:16-23)
御言葉をたくさん口にする人が主に愛される訳ではない。
サタンでさえ御言葉を引用し、主イエスを誘惑しようとした。
御言葉を口にする人が主に愛されるのではない。御言葉を心に留め、それを行う人こそ、主に愛されるのであって、守る気も無いのに、みだりに御言葉を連発したり、恐れ気もなく主の御名をみだりに連発する者を、主は罰せずにはおかない。
そして第四戒は、安息日の遵守である。
『安息日を守ってこれを聖とし、あなたの神、主があなたに命じられたようにせよ。六日のあいだ働いて、あなたのすべてのわざをしなければならない。七日目はあなたの神、主の安息であるから、なんのわざをもしてはならない。あなたも、あなたのむすこ、娘、しもべ、はしため、牛、ろば、もろもろの家畜も、あなたの門のうちにおる他国の人も同じである。こうしてあなたのしもべ、はしためを、あなたと同じように休ませなければならない。』(申命記5:12-14)
ここ、申命記の第四戒の記述は、出エジプト記での記述と、若干違う。
出エジプト記では、以下のように続いた。
「六日のあいだ働いてあなたのすべてのわざをせよ。七日目はあなたの神、主の安息であるから、なんのわざをもしてはならない。あなたもあなたのむすこ、娘、しもべ、はしため、家畜、またあなたの門のうちにいる他国の人もそうである。主は六日のうちに、天と地と海と、その中のすべてのものを造って、七日目に休まれたからである。それで主は安息日を祝福して聖とされた。」(出エジプト記20:8-11)
すなわち、主が六日かかって創世した後、第七の日に安息されたから、この第七の日を聖として覚えよ、というのが出エジプト記での趣旨である。
それに対し、申命記では、モーセはイスラエルがかつてエジプトで奴隷であった事を思い起こさせ、他国人や固持、寡婦などの弱者に「安息」を与えさせる事に重点を置いる。
実際、出エジプト記では単に「家畜」と記されている所が、申命記では「牛、ろば、もろもろの家畜」とされ、「こうしてあなたのしもべ、はしためを、あなたと同じように休ませなければならない。」と、家畜も男奴隷も女奴隷もひとしく主の安息に預からせるように命じている。
『あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったこと、そして、あなたの神、主が力強い御手と伸べられた腕とをもって、あなたをそこから連れ出されたことを覚えていなければならない。それゆえ、あなたの神、主は、安息日を守るよう、あなたに命じられたのである。』(申命記5:15)
このように、モーセは弱者を休ませるために安息を守らせる事を、特に強調している。
実際、申命記の他の箇所でも、モーセがイスラエルがかつてエジプトで奴隷だった事を思い起こさせている場面が多い。(15:15, 16:12,24:18-22)
人は、権力を持ちはじめると、従業員や奴隷を休まずフル稼働で働かせて利益をむさぼる罪に陥りやすい。
実際、ネヘミヤの時代、イスラエルはバビロンから帰って来たばかりだというのに、早速同国人を奴隷にこき使って主の戒めに反する事をし出した。
安息の主は、人が安息する事を大切にされた。
それ故、私達はしっかり安息を守り、七日ごと安息の主を覚え、礼拝を守るべきである。