メッセージ - 主の御前に正しく歩め(申命記25:13-19)
礼拝説教メッセージ音声:主の御前に正しく歩め(申命記25:13-19):右クリックで保存
『あなたの袋に大小二種の重り石を入れておいてはならない。あなたの家に大小二種のますをおいてはならない。不足のない正しい重り石を持ち、また不足のない正しいますを持たなければならない。そうすればあなたの神、主が賜わる地で、あなたは長く命を保つことができるであろう。すべてこのような不正をする者を、あなたの神、主が憎まれるからである。』(申命記25:13-16)
この「重り石」は、重さを量る天秤の分銅のようものであり、「ます」も、穀物などの分量を量る「はかり」である。
つまりここは、例えば9キロの重り石を10キロだと偽って「これは10キロのお米です」というような事を禁じている。
主はそのように、「はかり」の基準となるものを偽る事を、憎まれる。
そのような者に対する預言が、アモス書に記されている。
『あなたがた、貧しい者を踏みつけ、また国の乏しい者を滅ぼす者よ、これを聞け。あなたがたは言う、「新月はいつ過ぎ去るだろう、そうしたら、われわれは穀物を売ろう。安息日はいつ過ぎ去るだろう、そうしたら、われわれは麦を売り出そう。われわれはエパを小さくし、シケルを大きくし、偽りのはかりをもって欺き、乏しい者を金で買い、貧しい者をくつ一足で買いとり、また、くず麦を売ろう」。』(アモス8:4)
ここのエパは「ます」で、シケルは「重り石」である。
それらを偽り、新月ごとに行われる主の祭日や、主を覚えるべき安息日を「早く終わって欲しいもの」とし、月曜朝の市場開始の時間になったら、早速偽りのはかりで乏しい者や貧しい者から搾取するような者に対して、主は、突然の災いを下される。
『主なる神は言われる、「その日には、わたしは真昼に太陽を沈ませ、白昼に地を暗くし、あなたがたの祭を嘆きに変らせ、あなたがたの歌をことごとく悲しみの歌に変らせ、すべての人に荒布を腰にまとわせ、すべての人に髪をそり落させ、その日を、ひとり子を失った喪中のようにし、その終りを、苦い日のようにする」。』(アモス8:9-10)
世の中では一見、偽りのはかりを用いている者が栄えて、正直者がばかを見ているかように見えるが、主は、このような偽りや虐げで勢いづいている者を、いつまでもそのままにはされない。
彼らが栄え、「日盛りだ」と、思っているような時に、突然、災いを臨ませ、悲しませる。そして彼らの終わりは、苦々しいものとなる。
また、そのような者に対する、もう一つの災いは、「御言葉のききん」である。
『主なる神は言われる、「見よ、わたしがききんをこの国に送る日が来る、それはパンのききんではない、水にかわくのでもない、主の言葉を聞くことのききんである。彼らは海から海へさまよい歩き、主の言葉を求めて、こなたかなたへはせまわる、しかしこれを得ないであろう。その日には美しいおとめも、若い男もかわきのために気を失う。』(申命記8:11-13)
こういうクリスチャンがいる。普段は、罪や欲望を存分に飲み食いして、いざ困った時になったら、神様に助けを求めればいいや、と思っているクリスチャンが。
そういう人は、突如とした災いに襲われ、その時、あわてふためいても、守りを宣言する御言葉も、救われるために告白する御言葉も、見つからないのだ。
また、主は命じられた。
『あなたがエジプトから出てきた時、道でアマレクびとがあなたにしたことを記憶しなければならない。すなわち彼らは道であなたに出会い、あなたがうみ疲れている時、うしろについてきていたすべての弱っている者を攻め撃った。このように彼らは神を恐れなかった。それで、あなたの神、主が嗣業として賜わる地で、あなたの神、主があなたの周囲のすべての敵を征服して、あなたに安息を与えられる時、あなたはアマレクの名を天の下から消し去らなければならない。この事を忘れてはならない。』(申命記25:17-19)
アマレクの性質は、一言で言うなら「弱い者いじめ」である。
彼らは、エジプトから出てきた会衆の後ろについて来ていた「弱っている人達」を狙い撃ちにした。
また、アマレクは後に、ダビデと部下達が留守中に女子供を狙い撃ちして、財産を妻子もろとも奪って行った。
また、さらに後のエステルの時代には、ハマンが権力を利用してイスラエル民族全部を皆殺しにしようと企んだが、このハマンは、アマレク人だと言われている。
未来も全て見通される主は、イスラエルや全て「弱い者」のために、このアマレクを必ず滅ぼし尽くさなければならないと命じられたのである。
主は、弱い者を狙い撃ちするようなサタンの性質の者は、滅ぼし尽くすよう、命じられるのだ。
『身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたけるししのように、食いつくすべきものを求めて歩き回っている。この悪魔にむかい、信仰にかたく立って、抵抗しなさい。あなたがたのよく知っているとおり、全世界にいるあなたがたの兄弟たちも、同じような苦しみの数々に会っているのである。あなたがたをキリストにある永遠の栄光に招き入れて下さったあふるる恵みの神は、しばらくの苦しみの後、あなたがたをいやし、強め、力づけ、不動のものとして下さるであろう。』(1ペテロ5:8-10)
ししは、動物を襲う時、群れに向かって吠えたけり、恐れをなして動けないものや、群れからはみ出たものを、食いつくす。
私達も、サタンがほえたける時こそ、信仰のスクラムをしっかりと組み、信仰に固く立って、悪魔に抵抗するのである。
私達が信仰に立ち、神に従い、そして悪魔に立ち向かうのなら、悪魔は逃げ去って行く。(ヤコブ4:7)
主は「あなたの神、主が嗣業として賜わる地で、あなたの神、主があなたの周囲のすべての敵を征服して、あなたに安息を与えられる時、あなたはアマレクの名を天の下から消し去らなければならない。」と言われた。
平安が無い時や、信仰の基盤が確立されていない時は、まだ、悪しき者に戦いを仕掛けるべき時ではない。
主にあって十分に養いを受け、安息が与えられた、安定した時こそ、悪しき者と戦う事が出来るのだ。