メッセージ - ノア - 闇の時代に輝く新しい希望(創世記6章)
ノア - 闇の時代に輝く新しい希望(創世記6章)
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かつて全人類は、神の御前に甚だ悪くなり、一つの家族を除く、全てが滅ぼされてしまった事があった。
その、唯一生き残った一つの家族が、ノアの家族である。今回より、邪悪な世代において神の御前に正しく信仰を貫き、新しい世代へと多くの命をつないだ、ノアについて、何度かに渡って見て行きたい。
アダム以降、ノアの時代に至るまで、人はどんどん増えていったが、その邪悪さも増していった。
『人が地のおもてにふえ始めて、娘たちが彼らに生れた時、神の子たちは人の娘たちの美しいのを見て、自分の好む者を妻にめとった。』(創世記6:1-2)
「神の子たち」という言葉は、御使いを指す事もあるし、神に従う人達を指す事もあるが、私達キリスト者を含む「神の子達」が、人の娘が美しいからと好き勝手に選んで妻にしてしまうと、良くない事が起こる。
神の霊は、もはやその人には留まらなくなり、肉に過ぎない存在となり、齢も縮められてしまうのだ。(3節)
神の子が、人の娘と結婚した結果、生まれるのは、ネフィリム(原意:伐採者。巨人、いじめっ子、暴君の意味)である。「彼らは昔の勇士であり、有名な人々であった。」人の価値観では、より強く大きい事、より有名な事、より美しい事は、望ましい事であるが、神から離れてそれらを追求する結果、引き起こされるのは、人の悪が増大する事、人の心に思い量る事は、いつも悪い方へ傾いてしまう事である。
その結果、この世代はノア以外、全員が邪悪になってしまった。全人口が一億人だとしたら、一億総殺人鬼時代である。神の似姿であるはずの人々がそうなってしまったので、神は、目も当てられなかっただろう。
「しかし、ノアは主の前に恵みを得た。」(創世記6:8)
全被造物は、ノアの故に滅ぼし尽くされなかった、と言っても過言ではない。
神は一人の義人でもその町、その国、その世界、その宇宙にいるなら、神はそれを滅ぼさない。
神は人を身勝手に創造して、また身勝手に滅ぼすお方ではない。
創世記1章から6章まで読むまでに私たちは1時間もかからないが、その間、時間的には千年以上の月日が流れており、その間、神はずっと人が悔い改めて立ち返るのを望まれ、エノクやノアのような義の宣伝者を送り、彼らを通して全人類を立ち返らせようと、忍耐して待っておられた。
「(神は)古い世界をそのままにしておかないで、その不信仰な世界に洪水をきたらせ、ただ、義の宣伝者ノアたち八人の者だけを保護された。」(2ペテロ2:5) ノアは五百歳の時に3人の子を産み、箱舟を造るよう指示を受け、六百歳で洪水が起きるまでの、およそ100年の間、箱舟を造りながら人々に義を説いて来たのだが、結局救われたのは、ノアの家族だけだった。立ち返る者は誰もいなかった、という事である。
ノアが建造したのは、全長135m、幅22.5m、高さ13.5mの巨大な船である。
横浜大さん橋にも時折、100mを超える船が停泊するが、そのような巨大船を、なんと500歳以上の老夫婦と、その子達の3組の夫婦、合計8人が、およそ百年がかりで仕上げた訳である。
一体どれほど大変だっただろう。それを実際に実行してしまう信仰は偉大だが、そればかりでなく、邪悪な価値観の世界の中で、子供達や嫁たち全員にもそれを行わせる信仰は、どれほど大きなものであろうか。
ノアが多くのいのちを救うことができたのは、神から命じられた事を、全てその通り忠実に行ったからである。
わずか8人で、100年がかりで、巨大船を建造するという、人の目から見たら気違い沙汰とも思える事業を実際に成し遂げ、その箱舟が完成した時、ノアのそれまでの見えなかった信仰が、実体となったのである。
箱舟は50mではだめで、きっかり示された寸法でなくてはならなかったし、子供たちに信仰生活の苦労をかけさせる事を躊躇していたら、彼らへの救いも無かったのだ。もしノアが、神様に言われた事があまりにも途方も無いという事で、少しでも妥協していたなら、家族の救いも、動物たちの救いも、無かったのだ。
ノアの名前は「慰め」「新しい希望」という意味である。ノアがその世界にとって慰めとなり、滅ぼさない事の原因となったように、私達も信仰によって、その地域、その国にとって慰めとなり、新しい希望となる事が出来るのだ。そして、ノアが信仰によって、古い世界から新しい世界へと生きのびたように、私達も、信仰によって来るべき世へと入り、宣教によって、多くのいのち達を御国へと継がせる事が出来るのである。