メッセージ - 主の剣、ギデオンの剣(士師記7:16-25)
礼拝説教メッセージ音声:主の剣、ギデオンの剣(士師記7:16-25):右クリックで保存
『そして彼は三百人を三組に分け、手に手にラッパと、からつぼとを取らせ、つぼの中にたいまつをともさせ、彼らに言った、「わたしを見て、わたしのするようにしなさい。わたしが敵陣のはずれに達したとき、あなたがたもわたしのするようにしなさい。わたしと共におる者がみなラッパを吹くと、あなたがたもまたすべての陣営の四方でラッパを吹き、『主のためだ、ギデオンのためだ』と言いなさい」。』(士師記7:16-18)
ギデオンと三百人の勇士たちは、剣などの武具を一切持たず、ラッパ(ショファー:角笛、コルネット)と、からつぼと、たいまつだけを携えて、戦いに臨んだ。
彼らは、ともしびを空つぼの中に隠し、光が外に漏れないようにして、敵陣近くまで潜入し、ギデオンの合図を待った。
『こうしてギデオンと、彼と共にいた百人の者が、中更の初めに敵陣のはずれに行ってみると、ちょうど番兵を交代した時であったので、彼らはラッパを吹き、手に携えていたつぼを打ち砕いた。すなわち三組の者がラッパを吹き、つぼを打ち砕き、左の手にはたいまつをとり、右の手にはラッパを持ってそれを吹き、「主のためのつるぎ、ギデオンのためのつるぎ」と叫んだ。』(士師記7:19-20)
ちょうど見張りが交代し、異常なしという引き継ぎを受けたばかりの所で、敵は油断していた。
そこに近くまで侵入していたギデオン達が「主のためのつるぎ、ギデオンのためのつるぎ」と叫び声を上げ、空つぼを割り、ラッパを吹き鳴らした。
敵が見上げてみると、今まで何も見えなかった所に、無数のたいまつの火が灯され、あちらこちらからつぼの割れる音や、叫び声、ラッパの音がモレの谷にこだまし、響き渡った
敵は激しく混乱し、同士討ちが起こった。主がそのようにされたからである。
この素晴らしい計略は、ギデオン自身が編み出したものではない。
彼が主の御言葉に従順した時、聖霊によって示されたものある。
主の御旨を成し遂げたいと願う働き人には、主が聖霊を送って下さり、なすべき知恵や、語るべき言葉を与えて下さる。それは、福音を伝える伝道者も、講壇で御言葉を語る説教者も、賛美をリードする人も同じである。主イエスに全てを委ねるのであれば、聖霊がその人を導き、人の知恵や力を遥かに超えた働きが為されるのだ。
ギデオンはまず、ともし火を空つぼに入れるよう指示した。
それと同じように、私達も、まことの光であられるキリストを、土の器である私達の内に住まわせて歩むべきである。
そして、主の促しがあった時には、私達の「固定概念」や「自我」という「空つぼ」は割ってしまい、内に秘めていた光なるキリストを解き放ち、御言葉のともしびを高々と掲げるべきである。
それをせず、私達という空つぼを生かしておき、御言葉のともし火を閉じ込めたままにして置くなら、ただ熱せられて辛くなるだけである。(エレミヤ20:9、マタイ5:15-16)
私達という「空つぼ」を割り、光なるキリストを高く掲げるなら、暗闇の勢力は粉々に砕かれ、逃げ惑い、自滅して行くのだ。
私達は土の器である。そして私達キリスト者は、その内に、キリストという無限の宝を秘めている。
『わたしたちは自分自身を宣べ伝えるのではなく、主なるキリスト・イエスを宣べ伝える。わたしたち自身は、ただイエスのために働くあなたがたの僕にすぎない。「やみの中から光が照りいでよ」と仰せになった神は、キリストの顔に輝く神の栄光の知識を明らかにするために、わたしたちの心を照して下さったのである。しかしわたしたちは、この宝を土の器の中に持っている。その測り知れない力は神のものであって、わたしたちから出たものでないことが、あらわれるためである。』(2コリント4:5-7)
ギデオン達は、武器を一切使わず、空つぼを割る事、ともし火を掲げる事、「主の剣、ギデオンの剣」という叫びと、ラッパを鳴り響かせる事によって、勝利のきっかけをもたらした。
私達の勝利の仕方も、同じである。
すなわち、私達という土の器を割り、内におられるキリストの光を放たたせ、御言葉のともし火、すなわち、主の剣を高々と掲げ、そして主への賛美を響かせる事によって、勝利するのだ。