メッセージ - 力と女と金(士師記8:29-35)
礼拝説教メッセージ音声:力と女と金(士師記8:29-35):右クリックで保存
ミデヤン人からイスラエルを救ったギデオンの、その後の人生はどうだったか。
『ヨアシの子エルバアルは行って自分の家に住んだ。ギデオンは多くの妻をもっていたので、自分の子供だけで七十人あった。』(士師記8:29-30)
彼は、多くの妻を持った。
聖書には、多く妻を持った人の事例も多くあるが、妻たちの意識や、子の成長において、問題が無い試しは無い。
モーセは、王たる人がしてはならない事を3つ示している。
それは、自分のために馬を集める事、妻を多く持つ事、金銀を多く蓄える事である。(申命記17:16-17)
馬は、多く持つ事によって軍事力が強くなるが、力を追求し、それを頼みとする者は、おごり高ぶって神をないがしろにしやすい。
また、妻を多く持ってはならない理由を、モーセは「心迷うから」と言っている。(申命記17:17) 事実、あんなに知恵が与えられたソロモンでさえ、多くの妻によって心迷わされ、イスラエル全体を堕落へと導いてしまった。
主は元々、人を男と女とに創造され、「ふたりは一体となる」と言われた。ゆえに、多くの伴侶を持つのは、本来在るべき姿ではないのだ。
また、金銀を多く持とうとする人も、やはり神にではなく金銀のほうに頼みを置いて、主から離れやすいものである。
『金持ちになりたがる人たちは、誘惑とわなと、また人を滅びと破滅に投げ入れる、愚かで、有害な多くの欲とに陥ります。金銭を愛することが、あらゆる悪の根だからです。』(1テモテ6:9)
力と女と金。
世の男達はそれらを追求し、それらをいかに多く持つかによって、男としてのステータスを上げようとするような所があるが、神の民は、力、女、金の積み上げによって安定を求めるべきではなく、主に信頼し、御言葉を守り行う事によって、主からの、決して揺るがされる事の無い全き安定を求めるべきである。
ギデオンは、力の追求こそしなかったが、女と金を集め、それが彼の家に罠となってしまった。
『シケムにいた彼のめかけがまたひとりの子を産んだので、アビメレクと名づけた。』(士師記8:31)
このアビメレクが、後のギデオンの家とイスラエルに災いをもたらすものとなってしまうのだ。
『ヨアシの子ギデオンは高齢に達して死に、アビエゼルびとのオフラにある父ヨアシの墓に葬られた。ギデオンが死ぬと、イスラエルの人々はまたバアルを慕って、これと姦淫を行い、バアル・ベリテを自分たちの神とした。すなわちイスラエルの人々は周囲のもろもろの敵の手から自分たちを救われた彼らの神、主を覚えず、またエルバアルすなわちギデオンがイスラエルのためにしたもろもろの善行に応じて彼の家族に親切をつくすこともしなかった。』(士師記8:32-35)
ギデオンは長寿をまっとうしたが、彼が死ぬとすぐ、イスラエルは堕落してしまった。
人間の指導者がいなくなると、すぐに主から心を翻してしまうのは、彼らにとっての王、あるいは彼らにとっての神は、自分に良い目を見させてくれるなら誰でも良いわけである。ギデオンであろうと、バアルであろうと、バアル・ベリテであろうと、まことの神である主であろうと。
神である主を、何か、取り替え可能な存在としている限り、災いは絶える事はない。
日本という国は、八百万の神の他、占いも盛んで、まさにそのような状態である。
私達キリスト者は、世の者のように力や金、女を追求するのではなく、また、寄り頼むべき主を軽んじる事なく、御言葉に記されている事を学び、それを守り行うべきである。