メッセージ - 偽りの主張への対処方法(士師記11:12-28)
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元々はごろつきの首領だったエフタだが、主によって召しだされ、イスラエルを率いる士師とされた。
彼は長老達から任命を受けた後、さっそく戦いに出て行くのではなく、まずはアンモンに使者を送った。
『エフタはアンモンの人々の王に使者をつかわして言った、「あなたはわたしとなんのかかわりがあって、わたしのところへ攻めてきて、わたしの国と戦おうとするのですか」。アンモンの人々の王はエフタの使者に答えた、「昔、イスラエルがエジプトから上ってきたとき、アルノンからヤボクに及び、またヨルダンに及ぶわたしの国を奪い取ったからです。それゆえ今、穏やかにそれを返しなさい」。』(士師記11:12-13)
アンモンからこのように主張をされると、なんだか、こちらが不当な事をしていたかのような気分になるが、実際はそうではない。
相手の主義主張をそのまま丸呑みしてはならない。必ず真理の光に照らし出すべきである。
エフタは元々ごろつきの首領だったのだが、使者を通して返事した内容から、彼はかなりの知性派で、イスラエルの歴史に通じた信仰者である事がわかる。
エフタはエモリ人に、イスラエルがエジプトから出て後に歩んだ道のりを、正確に述べた。
すなわち、イスラエルがエジプトから出て、今いる地へと入った際、アモン人やモアブ人、エドム人など、アブラハムゆかりの子孫達の国には一切手出しせず、むしろ平和に通行しようと許可を求めたのに尽く断られてしまい、仕方なしに、死海南側の迂回ルートを通って行て、そうしてモアブとエモリ人の国境であるアルノン川まで来た所、アルノン川の北に住んでいたエモリ人達は、故なく武力で攻めてきたために、イスラエルは返り討ちにし、そうしてこのアルノン川以北の地は、正当防衛的な形でイスラエルのものとなったのだ。
つまり、アモン人らが所有権を主張しているアルノン川からヤボクに至る土地は、元々、エモリ人の土地であり、彼らの「アルノン川以北は元々自分のものだったから返せ」という主張は、偽りのあつかましい主張なのだ。
そのような偽りの主張は、そのまま看過して良いものではない。
偽りを黙認し、放置しておくなら、それが既成事実化してしまい、やがては実際的に奪われてしまう。いわゆる「言った者勝ち」の論理である。
サタンのやり口も全く一緒だ。
偽りの所有権を身勝手に主張し、その主張の勢い飲まれたり無抵抗だったりしていると、図に乗ってもっと侵入して来るため、そのような偽りに対しては、必ず対処しなくてはならない。
サタンが仕掛けて来る偽りの所有権主張への対処は、自分の力や議論で勝とうとする事よりも、御言葉の真理を突きつけ、上の権威に戦いを委ねるほうが確実である。
社会では、暴力団が不法な脅迫や暴力で訴えて来るなら、弁護士を呼んで、法を盾に取って守ってもらうのが通例であり、また、会社組織では、自分の手に負えない案件が来たなら、上司に振って任せるのが通例であるが、霊の戦いも、全く同じである。
敵である悪魔やサタンが何か訴えて来たなら、御言葉という最高の法を盾にとって弁護者である主に守ってもらい、また、自分の手に負えない案件が来たなら、上の権威であるキリストに振るものである。
エフタは、相手の偽りに対して、真理で返したばかりでなく、この争いを、最高の上司であるイスラエルの神、主へと持って行った。
『イスラエルの神、主はその民イスラエルの前からアモリびとを追い払われたのに、あなたはそれを取ろうとするのですか。あなたは、あなたの神ケモシがあなたに取らせるものを取らないのですか。われわれはわれわれの神、主がわれわれの前から追い払われたものの土地を取るのです。』(士師記11:23-24)
偶像の神ケモシュ対、天地を創られたまことの神、主。この戦いに持っていったなら、もう勝負は見えた。
『イスラエルはヘシボンとその村里に住み、またアロエルとその村里およびアルノンの岸に沿うすべての町々に住むこと三百年になりますが、あなたがたはどうしてその間にそれを取りもどさなかったのですか。わたしはあなたに何も悪い事をしたこともないのに、あなたはわたしと戦って、わたしに害を加えようとします。審判者であられる主よ、どうぞ、きょう、イスラエルの人々とアンモンの人々との間をおさばきください』」。しかしアンモンの人々の王はエフタが言いつかわした言葉をききいれなかった。』(士師記11:26-27)
このように、エフタは見事、真理の言葉によって相手の不真実を暴き出し、さらに、この戦いをアモン人の神対イスラエルの神へと持って行った。
私達もこのように、真理による対決方法を身につけるべきである。