メッセージ - 憎しみを思い巡らす人は主の祭司も平気で殺す(1サムエル記22:6-16)

憎しみを思い巡らす人は主の祭司も平気で殺す(1サムエル記22:6-16)

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執筆 : 
pastor 2015-5-11 21:52

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『サウルは、ダビデおよび彼と共にいる人々が見つかったということを聞いた。サウルはギベアで、やりを手にもって、丘のぎょりゅうの木の下にすわっており、家来たちはみなそのまわりに立っていた。』(1サムエル記22:6)

サウルは、息子・ヨナタンに槍を投げつけて以来の登場であるが、彼の人格の崩れ度合いは、さらに進んでいる。
戦時でもないのに、いつも彼が槍を手にしているのは、人々を威圧するためか、あるいは最悪、気に食わない者に槍を投げつけるためなのかもしれない。

『サウルはまわりに立っている家来たちに言った、「あなたがたベニヤミンびとは聞きなさい。エッサイの子もまた、あなたがたおのおのに畑やぶどう畑を与え、おのおのを千人の長、百人の長にするであろうか。』(1サムエル記22:7)
サウルは、イスラエル全体の王のはずだ。なのに、彼の周りにはベニヤミン人しかいない。
もしかすると、凶暴化して来た彼から人々が逃げ、もはや身内のベニヤミン人しかいなくなってしまったのかもしれないし、あるいは、サウルの猜疑心が強くなりすぎて、自分の身内しか信用できなくなってしまったからかもしれない。

サウルは、「エッサイの子」すなわちダビデは、はたして、あなたがたにぶどう畑や昇進などの褒美を取らせるだろうか、と言っている。
しかし本来、神の民は、畑を人から褒美として与えられるべきものではないし、また本来、千人隊や百人隊の長や兵士などを、人間の制度によって徴用されるべきものではない。
王である主が、相続地を人に与えておられ、そして主が、それぞれの人に賜物を与え、それぞれおの志に働きかけるのだ。
だから、神の国の人は、主から与えられた賜物を自由に生かし、ある人は隊長になり、ある人は畑を豊かにさせる者となったりするのだ。

サムエルはかつて、人々が王を求めた時、あらかじめ宣言していた。
『あなたがたを治める王のならわしは次のとおりである。彼はあなたがたのむすこを取って、戦車隊に入れ、騎兵とし、自分の戦車の前に走らせるであろう。彼はまたそれを千人の長、五十人の長に任じ・・・また、あなたがたの畑とぶどう畑とオリブ畑の最も良い物を取って、その家来に与え・・・あなたがたは、その奴隷となるであろう。そしてその日あなたがたは自分のために選んだ王のゆえに呼ばわるであろう。しかし主はその日にあなたがたに答えられないであろう」。』(1サムエル記8:11-18)
イスラエルは、サウルを王に任じた事を、既に後悔していたであろう。

『あなたがたは皆共にはかってわたしに敵した。わたしの子がエッサイの子と契約を結んでも、それをわたしに告げるものはなく、またあなたがたのうち、ひとりもわたしのために憂えず、きょうのように、わたしの子がわたしのしもべをそそのかしてわたしに逆らわせ、道で彼がわたしを待ち伏せするようになっても、わたしに告げる者はない」。』(1サムエル記22:8)
サウルは、ものすごい被害妄想に憑かれている。
誰も教えてくれない、誰も心配してくれない、みんなが共に計って自分に敵対している、と思っているのだ。

サウルは「あなたがたは逆らっている」と言ったが、真に逆らっているのは、一体誰だろう。
サウルは、はるか前、サムエルを通して、主から言われていた。
『あなたが主のことばを退けたので、主もあなたを王位から退けた。』(1サムエル記15:23)

サウルは既に王位から退けられており、彼に代わって、主はダビデに王としての油が注がれた。
サウルにはその事が知らされていなかったのかもしれないが、少なくともヨナタンは、ダビデがこれから王として栄え、サウルの家は衰えていく事が分かっていた。
それなのにサウルは、相変わらず王位にしがみつき、ダビデを殺そうと付け狙っている。
神の民の「王」というものは、人間の王が唯一絶対の権力者ではなく、その上に王の王、主の主であられる神がおられるものだ。
だからもし、人がおとなしくその「王座」から降りて、神に明け渡さないでいるなら、やがて、強制的に降ろされてしまう事になる。

ベニヤミン人の部下たちは、サウルに何も言えないでいたが、ただ一人一人、サウルに応えた者があった。
『その時エドムびとドエグは、サウルの家来たちのそばに立っていたが、答えて言った、「わたしはエッサイの子がノブにいるアヒトブの子アヒメレクの所にきたのを見ました。アヒメレクは彼のために主に問い、また彼に食物を与え、ペリシテびとゴリアテのつるぎを与えました」。そこで王は人をつかわして、アヒトブの子祭司アヒメレクとその父の家のすべての者、すなわちノブの祭司たちを召したので、みな王の所にきた。』(1サムエル記22:9-11)
先にも見た通り、ドエグはエドム人、一杯の食物で尊いものを売り渡したエサウの子孫であるが、彼も、地位や名誉欲しさに、神の祭司を告げ口する。

『サウルは彼に言った、「どうしてあなたはエッサイの子と共にはかってわたしに敵し、彼にパンとつるぎを与え、彼のために神に問い、きょうのように彼をわたしに逆らって立たせ、道で待ち伏せさせるのか」。』(1サムエル記22:13)
アヒメレクとしては、唐突にこんな事を言われて、暫く、わけが分からなかっただろう。

サウルのような、いつも被害妄想で怯え、良くない思いを脳内で巡らしているような者は、唐突に意味不明な事で人を責め立て、凍りつかせるものだが、それが王で、絶対的権力を持っているなら、その王の下にいる人々は悲惨である。
サタンは歴史上、幾度もこのような手段を用いて、多くの国を悲惨に陥れて来た。

そもそも、神の国の王たるものは、祭司に何か物申す事はできないはずで、王のほうが、祭司の示して来る御言葉に服従しなくてはならない。(申命記17:14-20、2歴代誌26:16-23)
それなのに、サウルの中では、完全にサウルが上で、主と主の言葉と主の祭司は、その下になっている。
サウルはなぜ、王から退けられたか。それは、彼が御言葉を退けたからだった。

『アヒメレクは王に答えて言った、「あなたの家来のうち、ダビデのように忠義な者がほかにありますか。彼は王の娘婿であり、近衛兵の長であって、あなたの家で尊ばれる人ではありませんか。彼のために神に問うたのは、きょう初めてでしょうか。いいえ、決してそうではありません。王よ、どうぞ、しもべと父の全家に罪を負わせないでください。しもべは、これについては、事の大小を問わず、何をも知らなかったのです」。』(1サムエル記22:14-15)
祭司は極めてもっともな事を言っているし、また事実である。

『王は言った、「アヒメレクよ、あなたは必ず殺されなければならない。あなたの父の全家も同じである」。』(1サムエル記22:16)
サウルは既に、脳内で、祭司アヒメレクは死ぬべき反逆者として、憎しみを混ぜつつ思い巡らしてしまった後なので、アヒメレクが事実を言ったかどうか、そして彼が主の祭司であるかどうかは一切関係なく、彼を殺せ、と命じてしまう。
もはやサウルは、主を恐れる心も、祭司を敬う心も無くなってしまった。
こうしてサウルは、主に伺う事のできる祭司を自ら抹殺し、彼自身、主に伺う事を断絶してしまったが、この事がきっかけで、ダビデは主に伺う事ができる祭司を得る事になる。

サウルは「王座」をしがみついて、離さない故に、「王座」に支配され、「王座」に振り回され、やがては「王座」によって滅ぼされてしまう。
「王座」は、人間が座るものではなく、唯一、主が座すべき所であり、人がそこに座そうとするなら、必ず滅びが待っている。
『あなたがたは、悟りのない馬や騾馬のようであってはならない。それらは、くつわや手綱の馬具で押えなければ、あなたに近づかない。悪者には心の痛みが多い。しかし、主に信頼する者には、恵みが、その人を取り囲む。正しい者たち。主にあって、喜び、楽しめ。すべて心の直ぐな人たちよ。喜びの声をあげよ。』(詩篇32:9-11)

私達の王は、誰だろうか。
それは唯一、王の王、主の主であるイエス様であるべきだ。

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