メッセージ - エッサイの根株から新芽が生え(イザヤ11:1-16)
イザヤ書講解説教メッセージ音声(音声のみ)
エッサイの根株から新芽が生え(イザヤ11:1-16)(韓国語通訳有한국어예배):右クリックで保存
【概要】
エッサイの根株から生えた新芽であるイエス・キリストを通じて、主の霊が全世界に満ちる時代が来ることを預言するイザヤ書11章の解説。
【聖書箇所】
イザヤ書11章
【慰めの言葉】
主の霊が満ちる時、敵対関係が解消され、平和が訪れる。
【励ましの言葉】
主を恐れ敬う霊に満たされるなら、どんな困難も乗り越えられる。
【戒めの言葉】
高ぶりや獣のような性質は主によって切り倒される。
【勧めの言葉】
主を知る知識と主を恐れる霊に満たされるよう努めるべき。
【悔い改めの促しの言葉】
自らの罪を認識し、古い自分を切り捨てて主に立ち返るべき。
【***詳細***】
今日、私たちが恵みを頂く御言葉は、イザヤ書11章です。まず、1節と2節を読みます。
「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ。その上に、主の霊がとどまる。」(イザヤ11:1-2)
この箇所は、クリスマスの時期によく引用される言葉ですが、ここでは深い意味が込められています。イスラエルの歴史を振り返ると、アッシリア、バビロン、メドペルシア、ギリシャ、ローマと、様々な帝国によって低くされ、切り倒されてきました。しかし、その根株から新しい芽として、イエス・キリストが生まれてきたのです。
この若枝の上に、主の霊が留まります。2節後半から3節には、その霊の性質が記されています。
「知恵と悟りの霊、深慮と勇気の霊、主を知る知識と主を恐れる霊である。この方は主を恐れることを喜び」(イザヤ11:2-3)
特に注目したいのは、「主を知る知識と主を恐れる霊」です。この世の知恵ある者たちは、人間の脳が機能しなくなれば人は死ぬと考えます。しかし、死を知る真の知識は主から与えられるものです。また、死を恐れる霊を持つことで、人は悪を避け、倫理にかなった生き方をするようになります。
この方が統治される世界がどのようなものかを、3節から5節で描写しています。
「その目に見えるところによって裁かず、その耳に聞こえるところによって判断せず、正義をもって寄るべのない者を裁き、公正をもって国の貧しい者のために判決を下し、口のむちで国を打ち、唇の息で悪者を殺す。正義はその腰の帯となり、真実はその胴の帯となる。」(イザヤ11:3-5)
この方の裁きは、外見や噂によるものではなく、真に正しいものです。そして、その統治の基盤となるのが、主を恐れることなのです。
6節から9節では、この主の霊が満ちる世界の姿が描かれています。
「狼は子羊と共に宿り、ひょうは子山羊と共に伏す。子牛、若獅子、肥えた家畜が共にいて、小さい子供がこれを追っていく。雌牛と熊とは共に草をはみ、その子らは共に伏す。獅子も牛のようにわらを食う。乳飲み子はコブラの穴の上で戯れ、乳離れした子はまむしの子に手を伸べる。わたしの聖なる山のどこにおいても、これらは害を加えず、そこなわない。」(イザヤ11:6-9)
これは、創造の始めの状態、罪が入る前の世界の姿を思わせます。獣たちは肉食ではなく、草食でした。主の霊が満ちるところでは、殺したい、傷つけたいという本能さえも抑えられ、平和な状態が実現するのです。
私たちの中にも、ライオンのような、クマのような性質があります。怒りがこみ上げてきたり、相手を傷つけたくなったりする衝動です。しかし、死を知る知識と死を恐れる霊が満たされるところでは、そういった性質さえも抑えられるのです。
10節から13節では、エッサイの根、すなわちイエス・キリストが国々の旗印となり、散らされた民が集められる様子が描かれています。
「その日、エッサイの根は、国々の民の旗として立ち、国々は彼を求め、彼のいこうところは栄光に輝く。」(イザヤ11:10)
これは、イエス・キリストを信じる者たちが世界中から集められることを預言しています。実際に、現代では多くの人々がイエスを信じています。また、イスラエルの民も1900年ぶりに自分たちの国を回復しました。
さらに、13節では内部の対立も解消されることが預言されています。
「エフライムのねたみは去り、ユダに敵する者は断ち切られる。エフライムはユダをねたまず、ユダもエフライムを敵としない。」(イザヤ11:13)
これは、北イスラエル王国と南ユダ王国の対立が解消されることを示しています。
14節以降では、イスラエルを苦しめてきた国々に対する裁きが描かれています。イスラエルが主を恐れる霊に満たされるとき、状況は逆転し、かつての敵対国々を従わせることになるのです。
最後に、16節では出エジプトの出来事が再び起こることが預言されています。
「その残される民のために、アッシリアからの大路が備えられる。イスラエルがエジプトの国から上って来た日に、イスラエルのために備えられたように。」(イザヤ11:16)
かつて主が海を分け、イスラエルの民をエジプトから救い出したように、再び主は道を備えられるのです。これは、私たちが主を恐れ敬うならば、今も同じように主が働かれることを示しています。
【結論】
イザヤ書11章は、エッサイの根株から生えた新芽であるイエス・キリストを通じて、主の霊が全世界に満ちる時代が来ることを預言しています。私たちは、主を知る知識と主を恐れる霊に満たされることを求め、自らの内にある獣のような性質を主に委ねて切り倒してもらう必要があります。そうすることで、私たちも主の平和な統治の中に生きることができるのです。主の霊が満ちる世界の実現を待ち望みつつ、今日から私たちも変えられていく決意をしましょう。