メッセージ - アブシャロムの華々しいリベンジ(2サムエル記16:15-23)
アブシャロムの華々しいリベンジ(2サムエル記16:15-23)
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- 礼拝メッセージ説教音声配信 » 講解説教(旧約) » 2サムエル記
- 執筆 :
- pastor 2015-9-24 23:50
アブシャロムの華々しいリベンジ(2サムエル記16:15-23)
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『さてアブサロムとすべての民、イスラエルの人々はエルサレムにきた。アヒトペルもアブサロムと共にいた。』(2サムエル記16:15)
ダビデが去ったエルサレムの都に、アブシャロムが新しい王として入城した。
アブシャロムの所には、アヒトペルもいる。彼は天才的な助言をするため、ダビデにとっては脅威だ。
それでダビデは、アヒトペルの助言を無効化するため、彼の友であり相談役のホシャイを、アブシャロムに接近させる。
『ダビデの友であるアルキびとホシャイがアブサロムのもとにきた時、ホシャイはアブサロムに「王万歳、王万歳」と言った。アブサロムはホシャイに言った、「これはあなたがその友に示す真実なのか。あなたはどうしてあなたの友と一緒に行かなかったのか」。
ホシャイはアブサロムに言った、「いいえ、主とこの民とイスラエルのすべての人々が選んだ者にわたしは属し、かつその人と一緒におります。かつまたわたしはだれに仕えるべきですか。その子の前に仕えるべきではありませんか。あなたの父の前に仕えたように、わたしはあなたの前に仕えます」。』(2サムエル記16:16-19)
アブシャロムは最初、疑っていた。しかしホシャイは、知恵深く答え、彼はわずかな言葉でアブシャロムの信用を勝ち得た。
『そこでアブサロムはアヒトペルに言った、「あなたがたは、われわれがどうしたらよいのか、計りごとを述べなさい。』(2サムエル記16:20)
もしダビデだったなら、人にではなく、真っ先に主に伺うために神の宮に入って行っただろう。
しかしアブシャロムは、エルサレムにある神の箱も、主の祭司も、全く見向きせず、人のはかりごとに真っ先に聞いた。
前にも見た通り、アヒトペルはバテ・シェバの祖父、ウリヤの義理の祖父である。(23:34、11:3)
彼はダビデに対する憎しみもあったろう。なにしろ、孫娘を不倫の対象とされ、孫の一家を破壊されたのだから。
そこでアヒトペルは、性的な面でダビデを辱める行動を助言する。
『アヒトペルはアブサロムに言った、「あなたの父が家を守るために残された、めかけたちの所にはいりなさい。そうすればイスラエルは皆あなたが父上に憎まれることを聞くでしょう。そしてあなたと一緒にいる者の手は強くなるでしょう」。こうして彼らがアブサロムのために屋上に天幕を張ったので、アブサロムは全イスラエルの目の前で父のめかけたちの所にはいった。』(2サムエル記16:21-22)
こうしてダビデのめかけ達は、公然と陵辱されてしまった。
まさしく、ナタンが預言していた通りである。
『あなたがわたしを軽んじてヘテびとウリヤの妻をとり、自分の妻としたので、つるぎはいつまでもあなたの家を離れないであろう』。主はこう仰せられる、『見よ、わたしはあなたの家からあなたの上に災を起すであろう。わたしはあなたの目の前であなたの妻たちを取って、隣びとに与えるであろう。その人はこの太陽の前で妻たちと一緒に寝るであろう。あなたはひそかにそれをしたが、わたしは全イスラエルの前と、太陽の前にこの事をするのである』」。』(12:10-12)
ダビデは今、まさに剣に追われており、そして、ダビデが罪を犯す発端となった、あの屋上で、今度は彼自身が性的な報復をおおっぴらな形で受ける事になってしまった。
主は、悔い改めたダビデの罪を見過ごしにし、死なないようにしては下さった。
しかし、犯した罪の報いは受けなくてはならないものであり、ダビデは今まさにそれを受けているわけである。
アブシャロムに組していた人々は、気勢を上げただろう。
特に、性的な冗談や嘲りは、世的な事柄に興味を持っている人々を、大いに盛り上がらせるものだ。
『そのころアヒトペルが授ける計りごとは人が神のみ告げを伺うようであった。アヒトペルの計りごとは皆ダビデにもアブサロムにも共にそのように思われた。』(2サムエル記16:23)
アヒトペルは、確かに天才的な計りごとをしたかもしれないが、あいにく彼は、神ではない。
彼の助言は、大いに人受けし、アブシャロムも、周りも盛り上がったかもしれない。
しかしあいにく、彼がした助言の内容は、律法に照らすなら、死に値する事だった。
『その父の妻と寝る者は、その父をはずかしめる者である。彼らはふたりとも必ず殺されなければならない。その血は彼らに帰するであろう。』(レビ20:11)
アヒトペルは「父の寝床にのぼる」という、主の前に死にあたる罪を、躊躇なくアブシャロムに勧め、そしてアブシャロムも、躊躇なくそれを行った。
結果的に、アヒトペルは後に自殺し、アブシャロムは木に吊るされた状態で殺されてしまう事になる。
アブシャロムの致命的な欠点は、神にではなく、神のような計りごとをする「人」に頼った事だった。
アブシャロムは若く美しく、人々の心を掴むカリスマ性もあり、性的な嘲りをして、彼の周囲は大いに盛り上がったかも知れない。人目には実に格好良く映ったろう。
対してダビデは、もはや若くなく、相手が攻めてくると、みっともなく逃げ、泣きながら落ち延びて行っている。実に、格好悪い。
しかし忘れてはならない。
アブシャロムは、主を敬う心はこれっぽっちも無いのに対し、ダビデは主にへの従順があり、嘲りや罵りさえ、主の故に甘んじて受けている。
そのような場合、全能の主が味方するのは、明らかにダビデの方だ、という事を。