メッセージ - ダビデに仕えた勇士たち - 登録された三十勇士と除外されたヨアブ(2サムエル記23:18-39)
ダビデに仕えた勇士たち - 登録された三十勇士と除外されたヨアブ(2サムエル記23:18-39)
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- 礼拝メッセージ説教音声配信 » 講解説教(旧約) » 2サムエル記
- 執筆 :
- pastor 2015-11-19 21:41
ダビデに仕えた勇士たち - 登録された三十勇士と除外されたヨアブ(2サムエル記23:18-39)
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前回に続き、ダビデに仕えた勇士たちが名を連ねている。
『ゼルヤの子ヨアブの兄弟アビシャイは三十人の長であった。彼は三百人に向かって、やりをふるい、それを殺した。そして、彼は三人と共に名を得た。彼は三十人のうち最も尊ばれた者で、彼らの長となった。しかし、かの三人には及ばなかった。』(2サムエル記23:18-19)
ヨアブの兄弟・アビシャイは、ダビデがサウルに追われていた時から頻繁に活躍している。
直近では、ダビデが老いて戦いに疲れ、危険にさらされた時、ダビデを救ったのも、彼であった。
アビシャイは、かの三人よりも力の面では及ばなかったものの、おそらく、政治力や統率力など他の面で秀でていたために、三十人の長として用いられたのだろう。
『エホヤダの子ベナヤはカブジエル出身の勇士であって、多くのてがらを立てた。彼はモアブのアリエルのふたりの子を撃ち殺した。彼はまた雪の日に下っていって、穴の中でししを撃ち殺した。彼はまた姿のうるわしいエジプトびとを撃ち殺した。そのエジプトびとは手にやりを持っていたが、ベナヤはつえをとってその所に下っていき、エジプトびとの手からやりをもぎとって、そのやりをもって殺した。・・・彼は三十人のうちに有名であったが、かの三人には及ばなかった。ダビデは彼を侍衛の長とした。』(2サムエル記23:20-22)
ベナヤは祭司エホヤダの子で、ヨアブの元では、外国の雇用兵の長であった。(2サムエル記20:23)
後に王権がソロモンの代になると、彼は、ソロモンの命によってヨアブを殺し、ヨアブに代わって軍団長の座に着く事になる。(後述)
24節から、39節までは、ダビデの三十勇士のリストとなる。
『三十人のうちにあったのは、ヨアブの兄弟アサヘル。ベツレヘム出身のドドの子エルハナン。・・(中略)・・ヘテびとウリヤ。合わせて三十七人である。』(2サムエル記23:24-39)
この節中に登場する名前を数えると、32人となる。
その内、ヨアブの兄弟アサエル(24節)は、サウル王の将軍だったアブネルによって殺されてしまい、また、ヘテ人ウリヤ(39節)も、ダビデによって謀殺されてしまった。
その2人の補充として2名が加えられ、そうして合計32人が記されたのだろう。
さらに、8節から23節までに名を連ねている5人を加えると、「三十七人」となる。
この勇士たちの中に「ギロ出身のアヒトペルの子エリアム」(34節)が名を連ねているが、アヒトフェルは、アブシャロムの謀反に加わってダビデを裏切ったものの、彼の立てたはかりごとが採用してもらえず、自殺してしまった。(2サムエル記17:23)
そして、エリアムの娘は、ヘテ人ウリヤの妻バテ・シェバである。
ダビデは、このバテ・シェバと姦淫を犯し、ウリヤを謀殺したのだ。
このように、ダビデの勇士の中には、色々な国籍や生い立ち、バックグラウンドを持った人達がいる。
主君のために大いに忠誠を尽くした人もおれば、主君が犯した罪の犠牲となってしまった人もいる。
それでも彼らは、三十七人のリストから抜かれる事なく、神の国イスラエルの建て上げに貢献した者として、しっかり名が記録されている。
ところで、サムエル記全体を通じて、軍事的な面でもっとも活躍した人といえば、間違いなくヨアブであろう。しかし、彼の名がここのリストに「登録されていない」事も、注目すべきである。
ヨアブは、ダビデに対して度々の命令違反を犯し、ダビデを軽んじていたばかりでなく、後のダビデの後継者争いでアドニヤのほうを支持してたため、ソロモン王の指示により、エホヤダの子ベナヤの手で殺される事になってしまう。(1列王記2:29−35)
どんなに活躍しても、主君を軽んじて不従順を重ね、主の御旨でない者を担ぎ上げてしまうなら、特別な地位から降ろされ、抹殺され、王国の勇士達のリストから除外されてしまうのだ。
現代の教会にも、色々なバックグラウンドを持った人達が集まっているが、私達・教会は、ダビデの勇士たちと同じように、信仰の戦士たちである。
私達の戦いは、身体的なものではなく、霊的なものであり、身に付ける武具も、物理的なものではなく、霊的なものである。
そして、戦うべき相手は、目に見える人間ではなく、主権、力、暗闇の世界の支配者である。(エペソ6章)
『それだから、悪しき日にあたって、よく抵抗し、完全に勝ち抜いて、堅く立ちうるために、神の武具を身につけなさい。すなわち、立って真理の帯を腰にしめ、正義の胸当を胸につけ、平和の福音の備えを足にはき、その上に、信仰のたてを手に取りなさい。それをもって、悪しき者の放つ火の矢を消すことができるであろう。また、救のかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち、神の言を取りなさい。絶えず祈と願いをし、どんな時でも御霊によって祈り、そのために目をさましてうむことがなく、すべての聖徒のために祈りつづけなさい。』(エペソ6:13-18)
私達も、まことのダビデであるキリストに従順し、主が与えて下さるこの霊的武具をよく駆使し、悪しき者に対抗し、よく戦うべきなのだ。
主君を軽んじ、従順しないで、身勝手な王を立てるなら、いかに「出来る人」であったとしても、ヨアブのように立場を追われ、除外されてしまう。
まことのダビデであり、私達の主君である主イエス・キリストに従順し、彼のために信仰の戦いを闘いぬき、多くを勝利し、分捕り、多くの聖徒達に良きものを受け継がせて行く皆さんでありますように!
イエス様のお名前によって祝福します!