メッセージ - ソロモン王の即位(1列王記1:28-40)
ソロモン王の即位(1列王記1:28-40)
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ダビデは、4男アドニヤが勝手に王を名乗った事を、妻バテ・シェバから聞かされ、そして預言者ナタンから聞かされた。
ダビデのその後の対処と行動は早かった。
『ダビデ王は答えて言った、「バテシバをわたしのところに呼びなさい」。彼女は王の前にはいってきて、王の前に立った。すると王は誓って言った、「わたしの命をすべての苦難から救われた主は生きておられる。わたしがイスラエルの神、主をさしてあなたに誓い、『あなたの子ソロモンがわたしに次いで王となり、わたしに代って、わたしの位に座するであろう』と言ったように、わたしはきょう、そのようにしよう」。』(1列王記1:28-30)
この「**の主は生きておられる」という語り出しは、これから自分が宣言する事は、生きておられる主の御前で宣言する事であり、確かな事である、という、ユダヤ流の宣言文句である。
ダビデは主を、「わたしの命をすべての苦難から救われた主」と呼んだ。
主は、ダビデが若く清い信仰だった時も、サウルの手から救ってくださったし、彼が高慢になり、姦淫と殺人の罪を犯し、諸々の災いが降りかかった時さえも、主は、彼の助けと憐れみを求める呼び声に応じて、救って下さった。
この度の出来事も、イスラエル王国を分断しかねない危機ではあったが、ダビデは彼をあらゆる災いからも救って下さった彼の主にかけて、誓った。
きょう、ソロモンを王とするための手続きをしよう、と。
『王は彼らに言った、「あなたがたの主君の家来たちを連れ、わが子ソロモンをわたしの騾馬に乗せ、彼を導いてギホンに下り、その所で祭司ザドクと預言者ナタンは彼に油を注いでイスラエルの王としなさい。そしてラッパを吹いて、『ソロモン王万歳』と言いなさい。それから、あなたがたは彼に従って上ってきなさい。彼はきて、わたしの位に座し、わたしに代って王となるであろう。わたしは彼を立ててイスラエルとユダの上に主君とする」。』(1列王記1:33-35)
ダビデはまず、ソロモンを王の騾馬に乗せなさいと指示した。
王が、自分の乗る乗り物を降りて、別の人をそこに乗せる事は、王の栄誉をその人に与える事である。(創世記41:43、エステル記6:8)
私達の主イエス様も、自ら乗るべき乗り物を降り、悪しき者に傷つけられ全てを奪われ行き倒れになってしまったような私達を、乗せて下さり、安全な所へと導いて下さった。(ルカ10:29-37)
罪過の中に死んでいた私たちを、ただ恵みによりキリストと共に生かし、共によみがえらせ、共に天の所に座らせて下さった。(エペソ2:5-6)
そして私達をキリストにあって王国とし、共に治める者として下さった。(黙示録5:10)
ダビデは年老いた故に、王座を降りて、ソロモンへと王権を譲ったが、私達の主イエス様は、決して死ぬという事が無く、永遠に王の王であり、私達はキリストと共なる共同相続人である。
『そこで祭司ザドクと預言者ナタンおよびエホヤダの子ベナヤ、ならびにケレテびとと、ペレテびとは下って行って、ソロモンをダビデ王の騾馬に乗せ、彼をギホンに導いて行った。祭司ザドクは幕屋から油の角を取ってきて、ソロモンに油を注いだ。そしてラッパを吹き鳴らし、民は皆「ソロモン王万歳」と言った。民はみな彼に従って上り、笛を吹いて大いに喜び祝った。地は彼らの声で裂けるばかりであった。』(1列王記1:38-40)
この時点で、イスラエルの王権はダビデから離れ、その子・ソロモンへと引き継がれた。
アドニヤは、父ダビデ王の許可もなく、油注ぎという王としての任職もなく、ただの「名乗り上げ」と「既成事実化」によって王になろうとしたが、それに対し、ソロモンは父ダビデ王直接の認可の下、王としての任職の油を公に注がれ、正当な手続きを経て、王となった。
そして、一緒にいた民の喜びの叫びとどよめきは、地が張り裂けんばかりにまでなった。
まことに、アドニヤが自称・王として受けた栄光は、ソロモンが正統に受けた真の栄光に比べれば、全く取るに足りない。
悪しき者は、公にではなく、こそこそと非合法な方法を弄し、分不相応な「王権」を得ようとして罪に罪を重ねる。
私達はそのような、不当に非合法に得なくてはならないニセモノを掴まされてはならない。
私達は御言葉に沿って歩み、主の示された道を正当な手続きを経つつ歩んでいくなら、主は、最高に栄誉あるゴールへと導いて下さる。
いかに、報われないような日々が長く続くとしても、主は、ちょうど良い時に引き上げて下さるのだ。
ソロモンは、王になる事が主にあって決まっていたのに、なかなか王にはしてもらえなかったが、不穏分子が現れたちょうどその時、王として引き上げられた。
ダビデは詩篇で歌っている。
『あなたはわたしの敵の前で、わたしの前に宴を設け、わたしのこうべに油をそそがれる。わたしの杯はあふれます。わたしの生きているかぎりは/必ず恵みといつくしみとが伴うでしょう。わたしはとこしえに主の宮に住むでしょう。』(詩篇23:5-6)
ソロモンは敵の前で油を注がれ、宴を設けられた。
どうして、よりによって敵が生え出てきた時に、と思うかもしれない。
しかし実は、逆に、隠れていた不穏分子がこの時現れてくれたおかげで、新しい治世にあたって、それを取り除く助けとなったのだ。
今の時代、麦と毒麦が共に同じ畑に育つようなものである。
麦と毒麦は一見、見分けがつかないが、成長して実った段階でその違いがあらわになる。
主は、その時まで、待っておられるのだ。(マタイ13:24-43)
こうして、無事、バテ・シェバの子・ソロモンは王となったが、もしバテ・シェバが預言者の言葉に従順していなかったなら、この事は起きなかった。
もし従順していなかったならば、王権は不相応な者に奪われ、本人たちは反逆者として命を落としていただろう。
私達も、御言葉によって、すばらしい地位と祝福は約束されている。
しかし、悪しき者が侵入して来ても、何も対処しないとするなら、せっかく与えられた素晴らしい地位も、祝福も奪われ、最後にはいのちを落としてしまうのだ。
永遠の祝福は、今、私達がキリストの言葉に従順するかどうかにかかっている。
聖霊の導きとキリストの御言葉に従順し、いのちを救い、永遠に祝福される皆さんでありますように!
イエス様のお名前によって祝福します!