メッセージ - 栄光のみどり児を委ねられた夫婦の成り立ち(マタイ1:18-25)
栄光のみどり児を委ねられた夫婦の成り立ち(マタイ1:18-25)
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週報/メッセージ(説教)概要
クリスマスが近づくと、世間は華やいで来るが、クリスマスの主人公であるイエス様の誕生の次第と、それに関わった人達の成り立ちは、あまり華やいだものではなかった。主は聖霊によりて宿り、おとめマリヤより生まれ…一瞬で口ずさんでしまえるこの一文の陰に、実はイエス様の母マリヤとその夫ヨセフの、想像を超えた試練と苦悩の思い出が、そして、信仰の高貴さと、信仰により勝利した栄光の思い出がつまっている。
乙女マリヤは、優しい信仰者の夫・ヨセフとの結婚が決まっていて、貧しいながらでも、ささやかな幸せを胸に膨らませながら、婚約の期間を過ごしていた。そんなある日、突然御使いが現れ、告げられる。
これからあなたは身篭り、男の子を生む。しかもその子は永遠に支配する王である、と。(ルカ1:26-38)
結婚を控えている微妙な時期に、子を身籠る事は、世間からの追求もさる事ながら、何より、愛するヨセフがどんな反応をするか、大いに懸念される所だ。律法に従えば、結婚前に姦淫を犯した女は石打、それを免れても、ヨセフに見放されるなら、姦淫の子持ちの女として再婚も叶わず苦しい人生が待っているだろう。
「神にとって不可能な事は何一つ無い…」彼女は、この僅かな御使いとのやり取りで、大胆な決心をする。
「お言葉どおり、この身に成りますように・・・。」 彼女は、自分の都合、自分の善悪は全て降ろし、ただ、神のことばを優先したのだ。結婚も、夫も、世間も、将来も、全部、主にゆだねて。夫ヨセフはどうだったか。
婚約者マリヤは、自分の知らぬ間に身篭っている。男性なら、非常に怒り、悩み、落ち込む所である。
ねたみに駆られて、石打の求刑も出来ただろうし、払った花嫁代を全額返済してもらい、公に離縁して、別の女性との結婚を一からやり直す事もできたろう。しかし、彼が選んだのは、ひそかな離縁だった。
ヨセフは、彼女を愛した故に苦しんだが、真実であろうとした。それで、ひそかな離縁を選択したのだ。
そうこう思い悩んでいる所に、御使いが現れる。「ダビデの子ヨセフよ、心配しないでマリヤを妻として迎えるがよい。その胎内に宿っているものは聖霊によるのである。彼女は男の子を産むであろう。その名をイエスと名づけなさい。彼は、おのれの民をそのもろもろの罪から救う者となるからである。」(マタイ1:20-21)
ヨセフもまた、主の御言葉に従った。ユダヤ社会から冷ややかに「結婚前に身篭った夫婦」と後ろ指をさされる一生を恐れず、この、自分の血が流れていない特別な子を、守り、養い、育てようと、決心したのだ。
彼ら夫婦はこのような性質、すなわち自分の善悪判断、将来の心配は一切降ろし、ただ主の御言葉に従う性質だったからこそ、救い主キリストの育ての親となる栄誉を勝ち取り、人類全体に救い主を導入したのだ。
それに対しアダムとエバ夫婦は、御言葉ではなく自分の感覚を優先し、子々孫々に呪いを残してしまった。
妻は、主でも夫でもなく、蛇(サタン)の言う事に耳を傾け、従う。さらには夫を操って過ちに陥れる。夫も自分の過ちを棚に上げ、妻のせいにして突き放す。これが、いさかいと争いに満ちた呪いの生き方である。
主にある夫婦のスタンダードは、次のものである。
『妻たる者(ギュネー:成人女性)よ、(自身の)夫に仕えなさい。それが、主にある者にふさわしいことである。』(コロ3:18) 夫婦への命令は、新約に3箇所出てくるが、いずれも「妻」に対する命令から初まり(エペソ5章,コロサイ3章, 1ペテロ3章)、いずれも「夫(アネア:成人男性、将来の夫)」に従いなさい、という点が、夫より先に命じられている。従うとはフーポタッソー、軍隊用語で、自分を下位に置く、服従させる事だ。
これは女性差別以前の話で、主が創造の初め以来定められた権威の順序であり、従うなら幸いを得る。
では、男性は得なのか?得というより、男性のほうが責任重大である。エバの失敗に対し主はアダムを責められ、サラの失敗に対し主はアブラハムを責められた。『夫たる者よ、妻を「愛し(アガパオー:命よりも大切にし)」なさい。「つらくあたって(ピクラノー:苦々しい思いにさせて)」はいけない。』(コロサイ3:19)
男性は、女性を愛する事、それも、自分の命より大切にする事が、命じられている。女性は男性の保護下にあってこそ、安心できるものであり、男性は、女性に敬われてこそ、力を得るものである。
このようにしない夫婦は、アダムとエバのように、自分自身に、そして子々孫々に呪いをもたらしてしまう。
しかし、マリヤとヨセフのように、主の言葉に従順し、夫は妻を責めたりせず守り、妻は夫がたとえ「今晩エジプトに逃げよう」と言ってもそれに従順する程であるなら、より多く任され、尊い命を任されるようになる。
マリヤとヨセフのように、素晴らしい男女となり、素晴らしい結婚生活が出来る皆さんでありますように!