メッセージ - 統治わずか5年目にしてソロモンの財を奪われてしまったレハブアム(1列王記14:21-31)
統治わずか5年目にしてソロモンの財を奪われてしまったレハブアム(1列王記14:21-31)
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- 執筆 :
- pastor 2016-7-11 23:30
統治わずか5年目にしてソロモンの財を奪われてしまったレハブアム(1列王記14:21-31)
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前回の北イスラエル王国のヤロブアム王に続き、南ユダ王国の話に移る。
『ソロモンの子レハベアムはユダで世を治めた。レハベアムは王となったとき四十一歳であったが、主がその名を置くために、イスラエルのすべての部族のうちから選ばれた町エルサレムで、十七年世を治めた。その母の名はナアマといってアンモンびとであった。』(1列王記14:21)
レハブアムの母は、アモン人であった事が特記されている。
ソロモンがイスラエルで王であった期間は四十年(11:42)、その子であるレハブアムは四十一歳で王になった、という事は、ソロモンは、王になってまだ早い時期にアモン人の妻をめり、レハブアムが産まれた、という事であろう。
アモン人は主の集会に加わってはならない、と定められている。(ネヘミヤ13:1、申命記23:3)
ダビデの曾祖母は、モアブ人ルツだったが、それとは全く趣きを異にしいる。ルツはイスラエルの神、主を自分の神として、何もかも捨ててイスラエルに来たのだが、ソロモンは、ただ異邦の女を愛した故で、信仰による動機は一切なかった。
どうして、よりによって、アモン人との間に生まれた者を、王として継がせなくてはならなかったったのかは、書いていないので分からない。
しかし彼は、わなのような女は死よりも苦い事を(伝道者の書7:26)、また、自分の財産を後に来る者に継がせなくてはならないのを絶望している事(伝道者の書2:18-21)からすると、彼はもしかしたら、そのモアブの女に何かしらの形で捕らえられ、縛られ、その子供に王権を継がせなくてはならなくなってしまったのかもしれない。
『ユダの人々はその先祖の行ったすべての事にまさって、主の目の前に悪を行い、その犯した罪によって主の怒りを引き起した。』(1列王記14:22)
レハブアムは、イスラエルの神・主に向かうという所が無く、ただ、ソロモンの不信仰な部分、節操の無い偶像礼拝の性質、だけを引き継いでしまったようだ。
その彼が国のリーダーであるなら、その配下の人々も、総じてそれに習う者となってしまう。
『彼らもすべての高い丘の上と、すべての青木の下に、高き所と石の柱とアシラ像とを建てたからである』(1列王記14:23)
高い丘や青木の下、高き所は、カナン人が偶像礼拝する礼拝場所である。
レハブアムに触発された彼らは、ユダの至る所にそれを作ってしまったのだ。
『その国にはまた神殿男娼たちがいた。彼らは主がイスラエルの人々の前から追い払われた国民のすべての憎むべき事をならい行った。』(1列王記14:24)
神殿男娼は、カナンの異教礼拝で行われていた宗教的淫売で、偶像礼拝・同性愛の二重の罪から、主から特に禁じられている。(申命記23:17)
主が禁じられていた事を敢えてし続けるなら、当然、恵みと憐れみは逃げて行き、呪いに追いかけられてしまう。
その結果、国は衰退してしまう。これは神の国の法則である。
『レハベアムの王の第五年にエジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上ってきて、主の宮の宝物と、王の宮殿の宝物を奪い去った。彼はそれをことごとく奪い去り、またソロモンの造った金の盾をみな奪い去った。レハベアムはその代りに青銅の盾を造って、王の宮殿の門を守る侍衛長の手にわたした。王が主の宮にはいるごとに、侍衛はそれを携え、また、それを侍衛のへやへ持ち帰った。』(1列王記14:25-28)
エルサレムは堅固な要害の町で、そうそう外敵に攻め込まれる所ではないはずなのに、どういうわけか、エジプトにいとも簡単に攻め落とされてしまっている。
こうして、ソロモンがせっかく蓄えた多くの金銀財宝は、彼が政権を退いてから、わずか5年で、エジプトに全部奪い去られてしまった。
レハブアムは、ダビデの孫である。
ダビデからわずか3代目で、こんなにも早く、こんなにも落ちぶれてしまうものか、と思うかもしれない。
そうである。
親がいかに、信仰において優れていても、その子が主を敬わず、主の忌み嫌われる事を続けるなら、あっという間にその人の財は奪われ、落ちぶれてしまうのだ。
しかし、金銀財宝は奪われてしまっても、人命や王国が奪われなかったのは、主の憐れみとしか言いようがない。
それは、レハブアムがこれを機にへりくだり、少しでも、主に立ち返ったからである。(2歴代誌12:12)
『レハベアムのその他の事績と、彼がしたすべての事は、ユダの王の歴代志の書にしるされているではないか。レハベアムとヤラベアムの間には絶えず戦争があった。レハベアムはその先祖と共に眠って先祖と共にダビデの町に葬られた。その母の名はナアマといってアンモンびとであった。その子アビヤムが代って王となった。』(1列王記14:29-31)
レハブアムの歴史の最後に、もう一度、彼の母がアンモン人であった事が繰り返されて、この事が強調されている。
男性が、生涯の伴侶とすべき女性を選ぶのは、とても大事な事である。
一時的な情欲に駆られてではなく、将来、自分の子ができる時、その母として適切であるか、よく考えるべきだ。