メッセージ - 羊飼い - 主の働き人が受けるべき必須課程(詩篇78:70-72)
羊飼い - 主の働き人が受けるべき必須課程(詩篇78:70-72)
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週報/メッセージ(説教)概要
主はなぜダビデを王として選ばれたのか。また、主から選ばれる人は、どのような性質の人なのか。
そして、主から尊い事に大きく用いられる器となるためには、どのような性質を特に鍛えれば良いのか。
今回は、ダビデが最初に主に選ばれた場面から、そして聖書で重要人物とされている人達から学びたい。
アベル、アブラハム、イサク、ヤコブ、イスラエル12部族の父祖達、モーセ、ダビデ。これら聖書の中で最重要人物である彼らが、共通して従事した職業を、ご存知だろうか。その職業とは…羊飼いである。
復活のイエス様が、失敗したペテロを再び召命する時、3回も命じた事は「わたしの羊を飼いなさい」であり、そして私達の主は、まことの羊飼いである。神の国の働き人を目指す人は、羊を飼う事は、必須科目だ。
羊は弱く、身を守る術が無く、近視眼で迷子になりやすい。自分で食べ物を見つける事が出来ないので、羊飼いは彼らを牧草地や水のほとりへ導く。悪い獣に狙われ易く、現れたなら杖や鞭、石投げで追い払う。
羊はどこでも汚物を垂れ流し、自分の毛につけたまま歩くので、臭い。強情で、時には怒って羊飼いに体当たりして来る。学習能力が弱いので、同じ失敗を何度も繰り返す。思い当たるふしがあるだろうか?
それで羊飼いは、エジプトでは嫌われ(創世記46:34)、イエス様がお生まれになった時代も、皇帝アウグストから、住民登録から外されてしまうような、卑しい職業とされていた。私達の信仰の父祖達の輝かしい実績が聖書に記されているが、その陰では、羊を養う事で、人生の大半を費やしていたのだ。
主の目は、弱く愚かな羊たちを養っている羊飼いにこそ、注がれる。イエス様の誕生を真っ先に告げられたのは夜番をしていた羊飼いであった。モーセは前半人生は王子として華々しく過ごしたが、その後、荒野で40年も羊を追う生活をした時、主から召命を受け、その後40年は、イスラエル60万という羊を導いた。
ダビデが主からイスラエルの王として白羽の矢が立ったのは、彼がまだ紅顔の少年で、父エッサイの羊を飼っていた時だった(1サムエル記16章)。
エッサイは、サムエルから子を招くよう言われた時、末っ子ダビデだけは同席させず、羊の番をさせていた。
人は、うわべを見る。その人の容貌や美しさ、年齢、立ち居振る舞いなど。しかし、主は心を見ておられる。
少年ダビデが、誰からも目を留められなかった時、主が彼を「王を捜し得た」と評価したのは、彼は、任された羊たちを、忠実に守り、養っていたからだ。皆さんは、ライオンや熊が吠え猛りながら羊を奪って行ったら、奪い返すために追って行くだろうか。ダビデは、それをしたのだ。そしてライオンも熊も打ち倒し、羊を取り戻していたのである。主は、託された羊を守るために、その人に力を与えて下さる。
ダビデは、人に見られない隠れた所で忠実に、弱く、愚かな羊であっても決して見捨てず、命を賭して守る性質だったからこそ、隠れた所を見ておられる主の目に叶い、主から王として人知れず選ばれたのだ。
人目に隠れた所で忠実に羊を養う性質こそ大事である。偉い人の目がある所では美しく飾っても、去ったとたんに、弱く愚かな羊を軽んじ、打ち叩いたりするなら、主から何も任されない。長男エリアブはサムエルからは「これこそ油注がれる者だ」と思われたが、主は彼を退けた(16:7)。彼は麗しい見た目でも、ゴリヤテを前には何も出来ず、末っ子ダビデが来た時は威張り散らし、彼を「羊を放置した」となじった。(17:28)
皆さんは、主から「羊」を託されているだろうか。主の働き人を目指すなら、「羊」を忠実に養うべきだ。
アブラハムもモーセもダビデも、神学校で訓練したのではなく、羊を飼う事で、訓練されたからだ。
羊は、何度も同じ失敗を繰り返すかもしれない。恩知らずかもしれない。汚い所を転げ回って、臭さを振りまくかもしれない。強情で、自分に突進して来るかもしれない。落ち着かせて、ようやく一息つこうとした矢先、どこかに行って迷子になったり、悪い者にたぶらかされて、連れ去られて行ったりするかもしれない。
全然報われていない、埋もれてしまっている、一体いつまで続くのか、と思えるかもしれないが、その道は、決して間違っておらず、尊い時なのだ。それは主の訓練で、私達の”信仰の”父達、おじいさん・ひいおじいさん達は皆、羊の面倒を見たり、引き戻してやったりしている内に、どんどん整えられて行ったのだ。
私達の羊飼いであられる主は、言われる。「わたしの羊を飼いなさい」と。私達も信仰の父達に習い、今、任されている羊達を忠実に養い、主へと捧げられる立派な羊に育て上げ、モーセやダビデのように立派な働き人として成長し用いられて行く皆さんでありますように!イエス様のお名前によって祝福します!