メッセージ - アハブとイゼベル - イスラエル最悪の王の時代へ(1列王記16:29-34)
アハブとイゼベル - イスラエル最悪の王の時代へ(1列王記16:29-34)
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- 執筆 :
- pastor 2016-8-3 14:10
アハブとイゼベル - イスラエル最悪の王の時代へ(1列王記16:29-34)
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『ユダの王アサの第三十八年にオムリの子アハブがイスラエルの王となった。オムリの子アハブはサマリヤで二十二年イスラエルを治めた。オムリの子アハブは彼よりも先にいたすべての者にまさって、主の目の前に悪を行った。』(1列王記16:29-30)
アハブは、イスラエル最悪の王として有名である。
彼の統治は22年、統治期間としては決して長いとは言えないが、彼の統治中の出来事について、聖書は、詳細に記しており、第一列王記の16章から終わりの22章まで続いている。
それは彼と、彼の妻の悪業にまみれた暗い時代に対し、主が、預言者エリヤを通して為されるめざましいわざを通してイスラエルを立ち返らせようとする重要な出来事があったためだ。
『彼はネバテの子ヤラベアムの罪を行うことを、軽い事とし、シドンびとの王エテバアルの娘イゼベルを妻にめとり、行ってバアルに仕え、これを拝んだ。彼はサマリヤに建てたバアルの宮に、バアルのために祭壇を築いた。』(1列王記16:31-32)
彼が「彼よりも先にいたすべての者にまさって、主の目の前に悪を行った」と称され、彼に比べればヤロブアムはまだ軽いとまで言われた理由は、彼は、シドンの王の娘・イゼベルをめとった点と、バアル礼拝を導入した点である。
ヤロブアムは、金の子牛を造ったものの、それでもイスラエルの神の御名は保っていた。(12:28)
しかしアハブは、イスラエルの神を退け、全く異教の神であるバアル礼拝を導入した。
サムエルの改革以来、イスラエルの中でバアル礼拝は途絶えていたのに、それをわざわざ復活させたのだ。
アハブ王は、イスラエル全体を、バアルにひざをかがめるようにさせてしまったが、アハブ王をそのように仕向けたのが、彼の妻イゼベルである。
新約には、アハブの名は登場しないが、イゼベルの名は、主のしもべや民を惑わし、偶像礼拝や不品行へと導く女として登場する。(黙示録)
女の惑わしによって破滅してしまう出来事は、聖書でも、世界史でも枚挙にいとまがない。
最初の人・アダムがそうだったし、ノアの時代の神の子達も、サムソンも、ソロモン王も、みんな不信仰な妻によって惑わされ、滅びを招いてしまった。
「あなたの力を女についやすな、王をも滅ぼすものに、あなたの道を任せるな。」(箴言31:3)
どんな人と結婚し、また連合するかについては、よくよく注意すべきである。
『アハブはまたアシラ像を造った。アハブは彼よりも先にいたイスラエルのすべての王にまさってイスラエルの神、主を怒らせることを行った。』(1列王記16:33)
主はあらかじめ言われていた。異邦の神々に従うなら、かならず滅びる、と。(申命記8:19)
『あなたが行く国に住んでいる者と、契約を結ばないように、気をつけなければならない。おそらく彼らはあなたのうちにあって、わなとなるであろう。むしろあなたがたは、彼らの祭壇を倒し、石の柱を砕き、アシラ像を切り倒さなければならない。あなたは他の神を拝んではならない。主はその名を『ねたみ』と言って、ねたむ神だからである。』(出エジプト記34:12-14)
アハブはアシラ像を造り、主のねたみを引き起こしてしまった。
アハブは確かに主を怒らせる事を行なったが、主はすぐに彼らを滅ぼすわけではない。
「ねたみ」は、愛しているが故に沸き起こる感情である。
主はイスラエルを愛しているからこそ、立ち返るための機会と、そのための期間とを設けて下さる。
『彼の代にベテルびとヒエルはエリコを建てた。彼はその基をすえる時に長子アビラムを失い、その門を立てる時に末の子セグブを失った。主がヌンの子ヨシュアによって言われた言葉のとおりである。』(1列王記16:34)
ここに唐突にエリコが再建された記事が挿入されているが、アハブが行なった事と関連がある。
ヨシュアの時代、主はエリコの町を聖絶し尽くしなさいと言われ、一度、聖絶された。(ヨシュア記6:26-27)
しかしエリコの聖絶すべき物を惜しんで、それを隠し持っていたアカンは、イスラエル全体に災いを及ぼし、彼は家族もろとも滅ぼされてしまった。
主が「滅ぼし尽くせ」と言われたものを、復活させるのは、アルコール依存症だった人が、一度はアルコールを飲むのを止めたのに、再び飲む習慣を復活させてしまうようなものである。
それをするなら、以前よりももっと悪くなってしまう。
滅ぼし尽くす性質のものは、真剣に滅ぼし尽くし、それをしたなら、もうそれを「再建」してはならないのだ。
アハブは、滅ぼし尽くすべきものを再建させ、主のねたみを買い、災いを起こされてしまう。
主は、そんな彼と彼の時代を立ち直らせるために、素晴らしい預言者を遣わされる。