メッセージ - 恩を仇で返したヨアシュに速やかに降された神の正しい審判(2列王記12:17-21)
恩を仇で返したヨアシュに速やかに降された神の正しい審判(2列王記12:17-21)
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- 執筆 :
- pastor 2017-3-9 6:40
恩を仇で返したヨアシュに速やかに降された神の正しい審判(2列王記12:17-21)
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12:17 そのころ、スリヤの王ハザエルが上ってきて、ガテを攻めてこれを取った。そしてハザエルがエルサレムに攻め上ろうとして、その顔を向けたとき、
12:18 ユダの王ヨアシはその先祖、ユダの王ヨシャパテ、ヨラム、アハジヤが聖別してささげたすべての物、およびヨアシ自身が聖別してささげた物、ならびに主の宮の倉と、主の宮にある金をことごとく取って、スリヤ王のハザエルに贈ったので、ハザエルはエルサレムを離れ去った。
12:19 ヨアシのその他の事績および彼がしたすべての事は、ユダの王の歴代志の書にしるされているではないか。
12:20 ヨアシの家来たちは立って徒党を結び、シラに下る道にあるミロの家でヨアシを殺した。
12:21 すなわちその家来シメアテの子ヨザカルと、ショメルの子ヨザバデが彼を撃って殺し、彼をその先祖と同じく、ダビデの町に葬った。その子アマジヤが代って王となった。
前回までのヨアシュの功績が記されたにもかかわらず、どうしていきなり、このように呪われた有様が展開されるのか、と、疑問を持たれる方もいるかもしれない。
なぜこのような事が起きたのか、その理由は列王記を見るだけでは分からない。並行箇所である第二歴代誌24章を見るならば、ああ、こんなに呪われてしまっても仕方がない、と、知る事ができる。
事の発端は、全イスラエルを霊的に指導し、ヨアシュが生まれた時からずっと導いてくれた偉大な祭司、エホヤダの死であった。
2歴代誌24:15 しかしエホヤダは年老い、日が満ちて死んだ。その死んだ時は百三十歳であった。
24:16 人々は彼をダビデの町で王たちの中に葬った。彼はイスラエルにおいて神とその宮とに良い事を行ったからである。
エホヤダは百三十歳という長寿を全うし、王の墓に葬られるという栄誉を受けた。それはまさに彼に相応しい。
このエホヤダに対しヨアシュは、そして全イスラエルは、どんなにお礼をしてもし足りないものであるが、しかし残念ながら、ヨアシュも全イスラエルも、エホヤダに対して恩を仇で返す事になってしまう。
2歴代誌24:17 エホヤダの死んだ後、ユダのつかさたちが来て、うやうやしく王に敬意を表した。王は彼らに聞き従った。
24:18 彼らはその先祖の神、主の宮を捨てて、アシラ像および偶像に仕えたので、そのとがのために、怒りがユダとエルサレムに臨んだ。
24:19 主は彼らをご自分に引き返そうとして、預言者たちをつかわし、彼らにむかってあかしをさせられたが、耳を傾けなかった。
素晴らしい霊的指導者がいなくなった途端に、それまでずっと抑えてきた罪と肉の欲望を発散させ、せっかく長年霊的な指導を受けて来たにもかかわらず、それら全てを覆すような事をする人はいる。
彼らに対しては、主からの災いによる報いが待っているが、次のような人は要注意である。すなわち、表向きは善良な礼拝者を装ってはいても、普段から霊的指導者をうるさく思い、その指導する人が遠出したり、忙しくしたりしていると、なまけぐせが顔を出して、手抜きをしたり、威張り散らしたり、仲間を打ち叩いたりしてしまう人は。
24:20 そこで神の霊が祭司エホヤダの子ゼカリヤに臨んだので、彼は民の前に立ち上がって言った、「神はこう仰せられる、『あなたがたが主の戒めを犯して、災を招くのはどういうわけであるか。あなたがたが主を捨てたために、主もあなたがたを捨てられたのである』」。
24:21 しかし人々は彼を害しようと計り、王の命によって、石をもって彼を主の宮の庭で撃ち殺した。
あろうことか、あの大きな恩のあるエホヤダの子、ザカリヤさえも、ヨアシュ王は石で撃ち殺す命令をくだしてしまったのだ。
ヨアシュはおよそ40年もの間、表向き偽りの礼拝生活を送って来ていたのだ。
24:22 このようにヨアシ王はゼカリヤの父エホヤダが自分に施した恵みを思わず、その子を殺した。ゼカリヤは死ぬ時、「どうぞ主がこれをみそなわして罰せられるように」と言った。
主は、全て義人が流してきた血がそのまま虚しく地に落ちるような事はされない。必ず報いをされるお方である。(黙示録14:4-7)
当時の南ユダ王国とヨアシュ王に対するさばきは、速やかに来た。
24:23 年の終りになって、スリヤの軍勢はヨアシにむかって攻め上り、ユダとエルサレムに来て、民のつかさたちをことごとく民のうちから滅ぼし、そのぶんどり物を皆ダマスコの王に送った。
24:24 この時スリヤの軍勢は少数で来たのであるが、主は大軍を彼らの手に渡された。これは彼らがその先祖の神、主を捨てたためである。このように彼らはヨアシを罰した。
わずかな軍勢により、ユダは大損害を受けた。そして、ゼカリヤを殺した民のつかさ達はことごとく滅ぼされ、また、ヨアシュ自身も大怪我を負わされた。
24:25 スリヤ軍はヨアシに大傷を負わせて捨て去ったが、ヨアシの家来たちは祭司エホヤダの子の血のために、党を結んで彼にそむき、彼を床の上に殺して、死なせた。人々は彼をダビデの町に葬ったが、王の墓には葬らなかった。
イスラエルに大きな功労を立てた大祭司エホヤダは王の墓に葬られたが、ヨアシュはそこから外された。神の国は、そういうものである。
南ユダ王国において、謀反が起こり、しかも病の床の上で殺される、という事は前代未聞である。
それは彼が、恩を仇で返したからである。
ヨアシュにはアハブとイゼベルの血も流れているが、やはり血は争えないのだろうか。しかし、私たちには希望がある。
血筋によってでなく、肉の欲求や人の意欲によってでなく、ただ、神によって新しく生まれ変わらせてくださるイエス様に、私たちは望みを持つことができる。