メッセージ - 怒りを人生の道具とする者の呪いと、その子々孫々の呪い(箴言14:29-30)
怒りを人生の道具とする者の呪いと、その子々孫々の呪い(箴言14:29-30)
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箴言14:29 怒りをおそくする者は大いなる悟りがあり、気の短い者は愚かさをあらわす。
14:30 穏やかな心は身の命である、しかし興奮は骨を腐らせる。
怒りを支配する人は、英知が増し加わり、怒りをおそくする者は勇士にまさり、自分の心を治める者は城を攻め取る者にまさる。(箴言16:32)
怒りや激しい感情は、周囲に本人自身が愚かである事を撒き散らし、本人自身の骨を腐らせるのみならず、本人自身から生まれた子どもたち、子々孫々を呪われた者にしてしまう。
創世記49:3 ルベンよ、あなたはわが長子、/わが勢い、わが力のはじめ、/威光のすぐれた者、権力のすぐれた者。
49:4 しかし、沸き立つ水のようだから、/もはや、すぐれた者ではあり得ない。あなたは父の床に上って汚した。ああ、あなたはわが寝床に上った。
イスラエルの長子、ルベンは、長子であるにもかかわらず、長子の権は取り上げられ、旧約においてあまりぱっとしない存在となってしまったのは、彼は、奔放で勢いのある性格ゆえに、父に呪われてしまったからである。
創世記49:5 シメオンとレビとは兄弟。彼らのつるぎは暴虐の武器。
49:6 わが魂よ、彼らの会議に臨むな。わが栄えよ、彼らのつどいに連なるな。彼らは怒りに任せて人を殺し、/ほしいままに雄牛の足の筋を切った。
49:7 彼らの怒りは、激しいゆえにのろわれ、/彼らの憤りは、はなはだしいゆえにのろわれる。わたしは彼らをヤコブのうちに分け、イスラエルのうちに散らそう。
シメオンとレビも、激しい心のゆえに呪われ、その子々孫々は、ヤコブの預言したとおり、神の民の中で散らされてしまった。
怒りに早い者は、本人の骨を腐らせるのみならず、子孫をも散らしてしまうのである。
「彼らのつるぎは暴虐の武器」とあるが、人生を切り開いていく上での道具を「怒りの剣」にしてしまうなら、散らされてしまうという呪いが降りかかってくる。
カインもそうだった。
創世記4:5 しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。
4:6 そこで主はカインに言われた、「なぜあなたは憤るのですか、なぜ顔を伏せるのですか。
4:7 正しい事をしているのでしたら、顔をあげたらよいでしょう。もし正しい事をしていないのでしたら、罪が門口に待ち伏せています。それはあなたを慕い求めますが、あなたはそれを治めなければなりません」。
彼は怒った時、主にアドバイスされた。怒りを、そして待ち伏せしている罪を、「治めなさい」と。
しかし彼は怒りに身を委ねた。
4:8 カインは弟アベルに言った、「さあ、野原へ行こう」。彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。
4:9 主はカインに言われた、「弟アベルは、どこにいますか」。カインは答えた、「知りません。わたしが弟の番人でしょうか」。
彼は怒りを全能者なる神にさえぶつけた。
怒っている間、ある主の爽快感と全能感に駆られるが、それは神への恐れを忘れさせ、地獄永遠の火への恐れをマヒさせるドラッグである。
4:10 主は言われた、「あなたは何をしたのです。あなたの弟の血の声が土の中からわたしに叫んでいます。
4:11 今あなたはのろわれてこの土地を離れなければなりません。この土地が口をあけて、あなたの手から弟の血を受けたからです。
4:12 あなたが土地を耕しても、土地は、もはやあなたのために実を結びません。あなたは地上の放浪者となるでしょう」。
人から流された血は、神に対して叫ぶ。
カインは具体的に血を流したが、もし、Aという人が怒りによって口汚く罵ったり理不尽な対応をするなら、それをされたBは、Aに対し何も言えないにしても心で血を流し、言葉にならないうめきが主に立ち上って行く。
そしてその「血」が、Aに対して不利な証言をし、地において呪われ、何をしても実を結ばず、放浪者となってしまう呪いが返ってしまう。
カインは、主のあわれみによって生かされ、彼が殺されないようにと、しるしが与えられたが、カインはその主の憐れみによって悔い改めるのではなく、さらに「怒り」「力」を道具とした。それでカインの子孫は、町を建て、鉄の武器を開発し、文化を発達させるという、マフィアのような暴力集団になってしまった様が4章後半に記されている。
しかし、地を受け継ぐのは、柔和な者であり、平和をつくる者は神の子と呼ばれる。
セツの子孫は主の御名を呼び求め、生きながらえたが、カインの子孫は全部、洪水で洗い流され、滅ぼされてしまった。
怒りや憤り、悪を人生を切り開く道具にする者の周りは、その人に対してどう思うのかが、詩篇109篇によく記されている。
109:1 わたしのほめたたえる神よ、もださないでください。
109:2 彼らは悪しき口と欺きの口をあけて、わたしにむかい、偽りの舌をもってわたしに語り、
109:3 恨みの言葉をもってわたしを囲み、ゆえなくわたしを攻めるのです。
109:4 彼らはわが愛にむくいて、わたしを非難します。しかしわたしは彼らのために祈ります。
109:5 彼らは悪をもってわが善に報い、恨みをもってわが愛に報いるのです。
109:6 彼の上に悪しき人を立て、訴える者に彼を訴えさせてください。
109:7 彼がさばかれるとき、彼を罪ある者とし、その祈を罪に変えてください。
109:8 その日を少なくし、その財産をほかの人にとらせ、
109:9 その子らをみなしごにし、その妻をやもめにしてください。
109:10 その子らを放浪者として施しをこわせ、その荒れたすまいから追い出させてください。
109:11 彼が持っているすべての物を債主に奪わせ、その勤労の実をほかの人にかすめさせてください。
109:12 彼にいつくしみを施す者はひとりもなく、またそのみなしごをあわれむ者もなく、
109:13 その子孫を絶えさせ、その名を次の代に消し去ってください。
109:14 その父たちの不義は主のみ前に覚えられ、その母の罪を消し去らないでください。
109:15 それらを常に主のみ前に置き、彼の記憶を地から断ってください。
109:16 これは彼がいつくしみを施すことを思わず、かえって貧しい者、乏しい者を責め、心の痛める者を殺そうとしたからです。
109:17 彼はのろうことを好んだ。のろいを彼に臨ませてください。彼は恵むことを喜ばなかった。恵みを彼から遠ざけてください。
109:18 彼はのろいを衣のように着た。のろいを水のようにその身にしみこませ、油のようにその骨にしみこませてください。
109:19 またそれを自分の着る着物のようにならせ、常に締める帯のようにならせてください。
109:20 これがわたしを非難する者と、わたしに逆らって悪いことを言う者の/主からうける報いとしてください。
ダビデは徹底的に呪っている。本人のみならず、その妻、その子どもたちをも、債権者に追われ、みなしごとなり、子孫が絶えるように、と。
そこまで祈る人はあまりいないであろうが、しかし大体、悪を見の飾りとし「怒り」を不利な条件を打開する道具としている人の周りの人は、これに似たり寄ったりの事を心に描くものである。
もしAという怒る人が10人にいつも怒りをぶちまけているなら、その10人は、Aを祝福するだろうか。むしろ、これに似た呪いをAに対して向けるのではなかろうか。
それは主に届かないだろうか。
こう考えるなら、いかに、怒りを人生の道具としている人が呪われてしまうのか、また、その子孫がいかに呪われてしまうかが分かる。
私達は、柔和を道具とするべきである。
どうしようもなく愚かで、人を怒らせ、諭さなくてはならない人に対しては、パウロは言っている。
2テモテ2:23 愚かで無知な論議をやめなさい。それは、あなたが知っているとおり、ただ争いに終るだけである。
2:24 主の僕たる者は争ってはならない。だれに対しても親切であって、よく教え、よく忍び、
2:25 反対する者を柔和な心で教え導くべきである。おそらく神は、彼らに悔改めの心を与えて、真理を知らせ、
2:26 一度は悪魔に捕えられてその欲するままになっていても、目ざめて彼のわなからのがれさせて下さるであろう。
また、怒り狂って槍を向けてくるサウルに平和な素晴らしい対応をして、王を受け継いだダビデは言っている。
37:1 悪をなす者のゆえに、心を悩ますな。不義を行う者のゆえに、ねたみを起すな。
37:2 彼らはやがて草のように衰え、青菜のようにしおれるからである。
37:3 主に信頼して善を行え。そうすればあなたはこの国に住んで、安きを得る。
37:4 主によって喜びをなせ。主はあなたの心の願いをかなえられる。
37:5 あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ、主はそれをなしとげ、
37:6 あなたの義を光のように明らかにし、あなたの正しいことを真昼のように明らかにされる。
37:7 主の前にもだし、耐え忍びて主を待ち望め。おのが道を歩んで栄える者のゆえに、悪いはかりごとを遂げる人のゆえに、心を悩ますな。
37:8 怒りをやめ、憤りを捨てよ。心を悩ますな、これはただ悪を行うに至るのみだ。
37:9 悪を行う者は断ち滅ぼされ、主を待ち望む者は国を継ぐからである。
37:10 悪しき者はただしばらくで、うせ去る。あなたは彼の所をつぶさに尋ねても彼はいない。
37:11 しかし柔和な者は国を継ぎ、豊かな繁栄をたのしむことができる。