メッセージ - 戦争の時だけ主の御名を持ちだして大義名分を主張する者(2歴代誌13章)
戦争の時だけ主の御名を持ちだして大義名分を主張する者(2歴代誌13章)
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- 執筆 :
- pastor 2018-1-8 7:07
戦争の時だけ主の御名を持ちだして大義名分を主張する者(2歴代誌13章)
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2歴代誌13:1 ヤラベアム王の第十八年にアビヤがユダの王となった。
13:2 彼は三年の間エルサレムで世を治めた。彼の母はギベアのウリエルの娘で、名をミカヤといった。
レハブアムの子アビヤ。彼の統治は3年、列王記における評価は「悪い王」であった。
しかし歴代誌では、彼の良い面、すなわち、主に依り頼んで戦いに勝利した事を記している。
13:3 ここにアビヤとヤラベアムとの間に戦争が起り、アビヤは四十万の精兵から成る勇敢な軍勢をもって戦いにいで、ヤラベアムも大勇士から成る八十万の精兵をもって、これに向かって戦いの備えをした。
戦いを仕掛けたのは、彼の側であった。
それに対して迎え出たヤロブアムの側は、こちら側の二倍の戦力、不利な戦いとなりそうな所を、アビヤの側が舌戦を開く。
13:4 時にアビヤはエフライムの山地にあるゼマライム山の上に立って言った、「ヤラベアムおよびイスラエルの人々よ皆聞け。
13:5 あなたがたはイスラエルの神、主が塩の契約をもってイスラエルの国をながくダビデとその子孫に賜わったことを知らないのか。
塩の契約とはレビ記2:13で規定されている、穀物の捧げ物においては塩を欠かせてはならない、という規定である。
自分達の側こそ主に従っている、という事を、御言葉で引用するなら、もっと他にもあったであろうにとも思える。
13:6 ところがダビデの子ソロモンの家来であるネバテの子ヤラベアムが起って、その主君にそむき、
13:7 また卑しい無頼のともがらが集まって彼にくみし、ソロモンの子レハベアムに敵したが、レハベアムは若く、かつ意志が弱くてこれに当ることができなかった。
13:8 今また、あなたがたは大軍をたのみ、またヤラベアムが造って、あなたがたの神とした金の子牛をたのんで、ダビデの子孫の手にある主の国に敵対しようとしている。
13:9 またあなたがたはアロンの子孫である主の祭司とレビびととを追いだして、他の国々の民がするように祭司を立てたではないか。すなわちだれでも若い雄牛一頭、雄羊七頭を携えてきて、自分を聖別する者は皆あの神でない者の祭司とすることができた。
アビヤは、ヤロブアムが主に従っていない、という事を痛烈に批判する。
ヤロブアムが卑しい無頼のともがらが集まって来たかどうかはともかくとして、金の子牛をたのみ、アロンの子孫でない者であっても、若い雄牛一頭、雄羊七頭で祭司になれるような、御言葉に反する事をしてきた事は、主の御前に反論の余地は無い。
13:10 しかしわれわれにおいては、主がわれわれの神であって、われわれは彼を捨てない。また主に仕える祭司はアロンの子孫であり、働きをなす者はレビびとである。
13:11 彼らは朝ごと夕ごとに主に燔祭と、こうばしい香をささげ、供えのパンを純金の机の上に供え、また金の燭台とそのともしび皿を整えて、夕ごとにともすのである。このようにわれわれはわれわれの神、主の務を守っているが、あなたがたは彼を捨てた。
13:12 見よ、神はみずからわれわれと共におられて、われわれのかしらとなられ、また、その祭司たちはラッパを吹きならして、あなたがたを攻める。イスラエルの人々よ、あなたがたの先祖の神、主に敵して戦ってはならない。あなたがたは成功しない」。
アビヤは、自分達には正当な祭司がおりレビ人がいる、彼らは朝ごと夕ごとに主に仕えて、これこれの事をしている、それに引き換えあなた方は祭司はいない、それら主の規定を守り行っていない、と言っているが、あいにくアビヤ自身が主に従っているというわけではなさそうだ。
1列王記15:1 ネバテの子ヤラベアム王の第十八年にアビヤムがユダの王となり、
15:2 エルサレムで三年世を治めた。その母の名はマアカといって、アブサロムの娘であった。
15:3 彼はその父が先に行ったもろもろの罪をおこない、その心は父ダビデの心のようにその神、主に対して全く真実ではなかった。
15:4 それにもかかわらず、その神、主はダビデのために、エルサレムにおいて彼に一つのともしびを与え、その子を彼のあとに立てて、エルサレムを固められた。
15:5 それはダビデがヘテびとウリヤの事のほか、一生の間、主の目にかなう事を行い、主が命じられたすべての事に、そむかなかったからである。
アビヤは、その父が先に行ったもろもろの罪をおこない、その心は父ダビデの心のようにその神、主に対して全く真実ではなかった、という事は、アビヤは、主に従う面のあるけれど、同時にレハブアムが行ったような偶像礼拝も同時に行うような事を行っていたのだろう。
あるときには主の御名を呼ぶ、でも一難去ったら別の神にも拝む、ような。
そんな南ユダを主があわれんだのは、ひとえにダビデのゆえであった。ダビデのために、エルサレムにおいて彼に一つのともしびを与え、その子を彼のあとに立てて、エルサレムを固められた、と書いてある通りである。
ヤロブアムはアビヤの言葉に対し、何も答えず、兵をまわした。
2歴代誌13:13 ヤラベアムは伏兵を彼らのうしろに回らせたので、彼の軍隊はユダの前にあり、伏兵は彼らのうしろにあった。
13:14 ユダはうしろを見ると、敵が前とうしろとにあったので、主に向かって呼ばわり、祭司たちはラッパを吹いた。
13:15 そこでユダの人々はときの声をあげた。ユダの人々がときの声をあげると、神はヤラベアムとイスラエルの人々をアビヤとユダの前に打ち敗られたので、
13:16 イスラエルの人々はユダの前から逃げた。神が彼らをユダの手に渡されたので、
13:17 アビヤとその民は、彼らをおびただしく撃ち殺した。イスラエルの殺されて倒れた者は五十万人、皆精兵であった。
13:18 このように、この時イスラエルの人々は打ち負かされ、ユダの人々は勝を得た。彼らがその先祖の神、主を頼んだからである。
兵力的にも戦略的にも劣っていたアビヤが、主を呼び求めた時、主は答えてくださり、大いなる助けを与えてくださった。
いかに、主に対してまっすぐでない者であっても、いかに付け焼き刃的に御言葉を盾にとっても、相手が明らかに御言葉に従わず、また主の御名を呼ぶなら、主は救いを与えてくださる。
13:19 アビヤはヤラベアムを追撃して数個の町を彼から取った。すなわちベテルとその村里、エシャナとその村里、エフロンとその村里である。
13:20 ヤラベアムは、アビヤの世には再び力を得ることができず、主に撃たれて死んだ。
13:21 しかしアビヤは強くなり、妻十四人をめとり、むすこ二十二人、むすめ十六人をもうけた。
13:22 アビヤのその他の行為すなわちその行動と言葉は、預言者イドの注釈にしるされている。
確かに主の御名を呼ぶなら、主は救いを与えてくださる。
しかし、彼の統治はわずか3年で、死んでしまった。
彼は悪い王であったと列王記には記されている。
もし彼が、あの大勝利の後、なお主に従う良い王へとなっていたなら、もっと統治は長かったであろうが、そうではなかった。
結局彼は、戦争の時だけ主の御名を持ちだして大義名分を主張する者だったのだ。
戦争の時だけ「神」を持ち出し、自分達に大義名分があるかのようにアピールする者は昔も今もいるが、そのような時だけ御言葉を持ち出し、主の御名を持ち出すのではなく、普段から、御言葉を「行う」人こそ、主は祝福し守り、統治を長くして下さるのだ。