メッセージ - 真の預言者と偽預言者(2歴代誌18:9-34)

真の預言者と偽預言者(2歴代誌18:9-34)

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pastor 2018-1-18 7:26

真の預言者と偽預言者(2歴代誌18:9-34)
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2歴代誌18:9 さてイスラエルの王およびユダの王ヨシャパテは王の衣を着て、サマリヤの門の入口の広場におのおのその玉座に座し、預言者たちは皆その前で預言していた。

アハブおかかえの400人もの預言者たちは、こぞってアハブ王に「良い」預言をしていた。
さらに、パフォーマンスをする者も現れる。

2歴代誌18:10 ケナアナの子ゼデキヤは鉄の角を造って言った、「主はこう仰せられます、『あなたはこれらの角をもってスリヤびとを突いて滅ぼし尽しなさい』」。
18:11 預言者たちは皆そのように預言して言った、「ラモテ・ギレアデに上っていって勝利を得なさい。主はそれを王の手にわたされるでしょう」。

アハブはさぞかし気分が良かっただろうが、その実はどうだったか。
アハブがこの戦いに行った結果、アハブは戦いに負け、そして命を落とす事になる。

彼らは、主エホバの御名を用い、勝利の「預言」してはいるが、それは真実ではない。
このような預言は「偽預言」というが、なぜ偽預言者が現れるのか。
そして偽預言には、どんな特徴があるのか。

偽預言の特徴は、やたら「平安」を乱発し、耳ざわりの良い、人受けし易い言葉を多様する事だ。
『万軍の主はこう言われる、「あなたがたに預言する預言者の言葉を聞いてはならない。彼らはあなたがたに、むなしい望みをいだかせ、主の口から出たのでない、自分の心の黙示を語るのである。彼らは主の言葉を軽んじる者に向かって絶えず、『あなたがたは平安を得る』と言い、また自分の強情な心にしたがって歩むすべての人に向かって、『あなたがたに災はこない』と言う」。』(エレミヤ23:16)

偽預言者の目的は、自分の思いついた言葉に、主の御名を付けることによって権威付けし、自分に注目を集めさせ、自分が利益を得る事である。
アハブの所にいた400人は、アハブから利益を得たいがために、大勢で彼に取り巻き、耳障りの良い事を言って、彼を気分良くさせ、そうしてアハブから食い扶持を得ているのだ。
それはちょうど、ホステスに大金をつぎ込む男性と、ホステスとの関係に、良く似ている。
偽預言を囲う側は「自分を持ち上げてもらいたい」「心地良い言葉をもらいたい」という心がある故に、また、偽預言者の側は、お金や食を得たいが為に、需要供給関係が成り立ち、相ともに集まるのだが、そこには、真実も主を敬う心も何も無い。
まさに、パウロがテモテに警告している通りである。
『人々が健全な教に耐えられなくなり、耳ざわりのよい話をしてもらおうとして、自分勝手な好みにまかせて教師たちを寄せ集め、そして、真理からは耳をそむけて、作り話の方にそれていく時が来るであろう。』(2テモテ4:3-4)

さらにエレミヤは語っている。

エレミヤ23:18 彼らのうちだれか主の議会に立って、その言葉を見聞きした者があろうか。だれか耳を傾けてその言葉を聞いた者があろうか。
23:19 見よ、主の暴風がくる。憤りと、つむじ風が出て、悪人のこうべをうつ。
23:20 主の怒りは、み心に思い定められたことを/なし遂げられるまで退くことはない。末の日にあなたがたはそれを明らかに悟る。
23:21 預言者たちはわたしがつかわさなかったのに、彼らは走った。わたしが、彼らに告げなかったのに、彼らは預言した。
23:22 もし彼らがわたしの議会に立ったのであれば、わたしの民にわが言葉を告げ示して、その悪い道と悪い行いから、離れさせたであろうに。

エレミヤが言ったように、主の議会というものがある。
それは実際、この後のミカヤの預言から分かる。

エレミヤ23:23 「主は言われる、わたしはただ近くの神であって、遠くの神ではないのであるか。
23:24 主は言われる、人は、ひそかな所に身を隠して、わたしに見られないようにすることができようか。主は言われる、わたしは天と地とに満ちているではないか。

主はまさに天にも地にも満ちておられ、個室で話したひとりごとさえも、また、心の内に企んでいる事も、主は全てお見通しなのだ。

2歴代誌18:12 さてミカヤを呼びに行った使者は彼に言った、「預言者たちは一致して王に良い事を言いました。どうぞ、あなたの言葉も、彼らのひとりの言葉のようにし、良い事を言ってください」。

この使者の言葉の中に、現代キリスト教会にある問題の根源を見る事が出来る。
問題とは、主の言葉をそのまま伝えるべき者が、人に気に入られる事を求め、主の言葉をそのまま伝えるのをせずに、人に「良い」事を言うようになってしまう事だ。
主の言葉を伝える人は、主を恐れる事を促すために、主の言葉をそのまま伝えるべき者だ。

2歴代誌18:13 ミカヤは言った、「主は生きておられる。わが神の言われることをわたしは申します」。

主が言われる事を、そのまま伝える。このミカヤの姿勢こそ、まことの預言者であり宣教者が取るべき姿勢である。

2歴代誌18:14 彼が王の所へ行くと、王は彼に言った、「ミカヤよ、われわれはラモテ・ギレアデに戦いに行くべきか、あるいは控えるべきか」。彼は言った、「上って行って勝利を得なさい。彼らはあなたの手にわたされるでしょう」。

ミカヤの言葉は、どうもそれは真剣味に欠けたような、むしろ蔑みを含んだ口調や表情で言ったものと思われる。
なぜならアハブは、ミカヤに次のように答えるからだ。

18:15 しかし王は彼に言った、「幾たびあなたを誓わせたら、あなたは主の名をもって、ただ真実のみをわたしに告げるだろうか」。

それでミカヤは、彼の望む通り、主の御心そのものを告げる。
それは、アハブが戦いに行くべきか行かないべきかの問題とは、全く別次元の内容であった。

18:16 彼は言った、「わたしはイスラエルが皆牧者のない羊のように山に散っているのを見ました。すると主は『これらの者は主人をもっていない。彼らをそれぞれ安らかに、その家に帰らせよ』と言われました」。

これが主の御心である。
イスラエルが、羊飼いのいない羊のようだ。彼らを安らかにさせなくては。

主は、神の民が散らされている様を見て、深くうめき、憐れまれる主である。
『イエスは、すべての町々村々を巡り歩いて、諸会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、あらゆる病気、あらゆるわずらいをおいやしになった。また群衆が飼う者のない羊のように弱り果てて、倒れているのをごらんになって、彼らを深くあわれまれた。』(マタイ9:35-36)
ここの「深くあわれまれた」のギリシア語は「スプランキニゾマイ」、原意は「はらわたがちぎれる思い」で、心の痛みを伴って「ああ、かわいそうに!」と叫ぶ時の思いである。
主は、人々が羊飼いがいないような有様で弱り果てて倒れている様を、そのような思いでご覧になられる。
しかしアハブに、そんな主のうめきは届かず、自分の気に入る・気に入らないで答える。

18:17 イスラエルの王はヨシャパテに言った、「わたしはあなたに、彼はわたしについて良い事を預言せず、ただ悪い事だけを預言すると告げたではありませんか」。

彼は、自分がイスラエルの良き羊飼いである、とでも思い込んでいたのかもしれない。しかし、主のイスラエルに対する評価は、「羊飼いがいない」であった。
さらにミカヤは、主から示された事をさらに告げる。

18:18 ミカヤは言った、「それだから主の言葉を聞きなさい。わたしは主がその玉座に座し、天の万軍がその右左に立っているのを見たが、
18:19 主は、『だれがイスラエルの王アハブをいざなって、ラモテ・ギレアデに上らせ、彼を倒れさせるであろうか』と言われた。するとひとりは、こうしようと言い、ひとりは、ああしようと言った。
18:20 その時一つの霊が進み出て、主の前に立ち、『わたしが彼をいざないましょう』と言ったので、主は彼に『何をもってするか』と言われた。
18:21 彼は『わたしが出て行って、偽りを言う霊となって、すべての預言者の口に宿りましょう』と言った。そこで主は『おまえは彼をいざなって、それをなし遂げるであろう。出て行って、そうしなさい』と言われた。

ミカヤは、主の議会でやり取り為された内容を主に示され、災いが来る事を預言した。
驚く事に、ミカヤが見た天の議会の議題は、アハブを倒れさせるために如何にすれば良いか、という事である。一体、作戦会議で、会議の内容を敵に全部明かす者はいるだろうか。しかし主は、その内容を堂々とミカヤを通して公開したのだ。

18:22 それゆえ、主は偽りを言う霊をこの預言者たちの口に入れ、また主はあなたについて災を告げられたのです」。

こうしてアハブの望み通り、主の御旨が、あますところなく伝えられた。
彼らはどう答えたか。

18:23 するとケナアナの子ゼデキヤが近寄ってミカヤのほおを打って言った、「主の霊がどの道からわたしを離れて行って、あなたに語りましたか」。
18:24 ミカヤは言った、「あなたが奥の間にはいって身を隠す日に見るでしょう」。

ゼデキヤは、鉄の角まで作って預言しアピールした事とは全く逆の事をミカヤが言ったので、彼を殴った。
もしゼデキヤが、主の言葉をそのまま伝えるなら、反する事を言われたとしも、ゼデキヤが侮辱されたのではないから、何も殴る必要は無いはずである。実際、ミカヤは憤慨しなかった。
結局、ゼデキヤがミカヤを殴った行為は、彼は、主から受けた事を語ったのではなく、ゼデキヤ自身から出たアイデアをアピールしていたのだという事を表している。

18:25 イスラエルの王は言った、「ミカヤを捕え、町のつかさアモンと王の子ヨアシの所へ引いて行って、
18:26 言いなさい、『王はこう言う、この者を獄屋に入れ、少しばかりのパンと水をもって彼を養い、わたしが勝利を得て帰ってくるのを待て』と」。
18:27 ミカヤは言った、「あなたがもし勝利を得て帰るならば、主はわたしによって語られなかったのです」。また彼は言った、「あなたがたすべての民よ、聞きなさい」。

結局アハブも、その取り巻きの預言者達も、このミカヤに与えられた内容を、「失礼な戯言」として受け取った。
しかも、ヨシャパテまで、この言葉を聞いたにもかかわらず、アハブと共に行ってしまう。
それによって、ヨシャパテも、大きな災難を通る事になる。

18:28 こうしてイスラエルの王とユダの王ヨシャパテは、ラモテ・ギレアデに上った。
18:29 イスラエルの王はヨシャパテに言った、「わたしは姿を変えて戦いに行きましょう。しかしあなたは王の衣を着けなさい」。イスラエルの王は姿を変えて戦いに行った。

アハブは、厚顔無恥にも、善意で助けに来てくれたヨシャパテひとりにリスクを負わせ、自分だけが安全になろうとした。
『悪しき者は物を借りて返すことをしない。しかし正しい人は寛大で、施し与える。主に祝福された者は国を継ぎ、主にのろわれた者は断ち滅ぼされる。』(詩篇37:21-22)

18:30 さて、スリヤの王は、その戦車隊長たちに命じて言った、「あなたがたは小さい者とも、大きい者とも戦ってはならない。ただイスラエルの王とのみ戦いなさい」。

シリヤの王のこの命令は、ヨシャパテにはますますピンチ、アハブにはますます有利、と思われるかもしれないが、結果的に、その真逆となる。

18:31 戦車隊長らはヨシャパテを見たとき、これはきっとイスラエルの王だと思ったので、身を巡らしてこれと戦おうとした。しかしヨシャパテが呼ばわったので、主はこれを助けられた。すなわち神は敵を彼から離れさせられた。

シリヤの戦車隊が、王服をまとったヨシャパテ王に迫った時、この者がイスラエルの王アハブではないと判断した材料は、彼がとっさに「主エホバを呼び求めた」事だった。シリヤの間では、アハブは主エホバを求めるような者ではない、と、有名だったのかもしれない。
ともかくヨシャパテはこうして、主に助けを呼び求めた事により、また、あらかじめシリヤ王が発していた命令のおかげで、危ない所で命が救われた。

18:32 戦車隊長らは彼がイスラエルの王でないのを見たので、彼を追うことをやめて引き返した。
18:33 しかし、ひとりの人が、なにごころなく弓を引いて、イスラエルの王の胸当と、くさずりの間を射たので、彼はその車の御者に言った、「わたしは傷を受けたから、車をめぐらして、わたしを軍中から運び出せ」。
18:34 その日戦いは激しくなった。イスラエルの王は車の中に自分をささえて立ち、夕暮までスリヤびとに向かっていたが、日の入るころになって死んだ。

誰かが何気なく放った矢が、見事、戦車で激しく動いているアハブの、それも胸当てと草摺の間にヒットし、彼を死に至らしめたのだ。絶妙のコントロール、と言いたい所だが、結局、主には全ての事がお出来になるのだ。
主は、少年ダビデの手を用いても、神の民をなぶったゴリヤテを「絶妙なコントロール」で倒した。
結局、汚い手段を使う者、姑息な手を使ってでも万全を期して臨んだのであろうが、そのような小賢しい知恵や努力も、主の「為す」と定められた災いを防ぐ事は出来ない。

ヨシャパテはこの度、悪しき者同士の、欲深い領土争いに足を突っ込んでしまって、とんだとばっちりを受けたが、主は、そのような罠に陥ってしまった主の民を悪人同士の争いの中から引き上げ、救い出す事がお出来になるお方である。
この戦いには、ヨシャパテの南ユダの兵士達も混ざっており、悪しき者と善き者とが混在状態ではあったものの、シリヤ王があの命令を下してくれたおかげで、ヨシャパテ側の兵士達から犠牲者が多く出る事からも守られたのだ。
どんなに、善き人に対不利な戦局が展開されようとも、主はその人を助け出される事が可能であり、そして、悪しき者がいかに二重三重の防護策を講じようとも、その者が主の裁きから免れられる事は無い。
ヨシャパテは主を呼び求めた故に、かろうじて助けられたが、この後彼は、アハブと縁結びをした故に、さらに災いに巻き込まれて行く事になる。

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