メッセージ - 全ての誇り高ぶる者の王・レビヤタン(ヨブ記41章)
全ての誇り高ぶる者の王・レビヤタン(ヨブ記41章)
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人にはどうする事も出来ない獣の二つ目として、主はレビヤタンを取り上げた。
レビヤタンは、聖書の他の箇所で何度か登場する、海に棲む巨大な生物で、ヨブ記41章においてその特徴が詳細に記されている。
41:1 あなたはつり針で/わにをつり出すことができるか。糸でその舌を押えることができるか。
口語訳や他の幾つかの訳ではレビヤタンは「わに」と訳されているが、剣や槍では歯が立たない硬い皮膚で覆われ、口から火を吐き、あまりに巨大で海を白く泡立たせるほどの生き物である事が記されているので、わにでは役不足であろう。
ここは原文通りレビヤタンとして話を進めていく。
41:8 あなたの手をこれの上に置け、/あなたは戦いを思い出して、/再びこれをしないであろう。
41:9 見よ、その望みはむなしくなり、/これを見てすら倒れる。
41:10a あえてこれを激する勇気のある者はひとりもない。
バビロニヤの創造物語にはレビヤタンについて,「見るものはきっとぞっとして,へなへなと腰くだけになる」とある。そこでは、創造神と戦って破れ,監禁され,眠っているとされる。(実用聖書注解)
41章の結論は、以下の10b-11節で、レビヤタンの性質についての記述をサンドイッチのように挟んで、創造主の素晴らしさを表現しているのが、41章のキアズム構造である。
41:10b それで、だれがわたしの前に立つことができるか。
41:11 だれが先にわたしに与えたので、/わたしはこれに報いるのか。天が下にあるものは、ことごとくわたしのものだ。
41:12 わたしはこれが全身と、その著しい力と、/その美しい構造について/黙っていることはできない。
人はレビヤタンには近づき難く、それが目の前に立つ時は勇士さえ震えおののくのみである。
それなのに、ましてや、それさえ創造し、養っておられる神に対し、対等に張り合おうとしているヨブ、あなたは一体何者なのか、と示される。
主はこのレビヤタンについて、さらに黙っておられず語られる。
41:13 だれがその上着をはぐことができるか。だれがその二重のよろいの間に/はいることができるか。
41:14 だれがその顔の戸を開くことができるか。そのまわりの歯は恐ろしい。
41:15 その背は盾の列でできていて、/その堅く閉じたさまは密封したように、
41:16 相互に密接して、/風もその間に、はいることができず、
41:17 互に相連なり、/固く着いて離すことができない。
この生き物は、背も腹もよろいのようにがっしりと組み合わされた頑強な生物である。
41:18 これが、くしゃみすれば光を発し、/その目はあけぼののまぶたに似ている。
41:19 その口からは、たいまつが燃えいで、/火花をいだす。
41:20 その鼻の穴からは煙が出てきて、/さながら煮え立つなべの水煙のごとく、/燃える葦の煙のようだ。
41:21 その息は炭火をおこし、/その口からは炎が出る。
なんとこの生き物は、火を吐くのだ。
私達はそのような生物を一度も見た事が無いので、ある人は、架空の生き物だと指摘するが、しかしヘブライ思考は神の言葉はそのまま書かれてある通り受け入れるものである。
私達がそれに則ってこのレビヤタンは実際にいる(あるいはいた)生物として見ていく時、神の創造のみわざと御心を、より正確に把握して行く事が出来る。
41:22 その首には力が宿っていて、/恐ろしさが、その前に踊っている。
41:23 その肉片は密接に相連なり、/固く身に着いて動かすことができない。
41:24 その心臓は石のように堅く、/うすの下石のように堅い。
41:25 その身を起すときは勇士も恐れ、/その衝撃によってあわて惑う。
41:26 つるぎがこれを撃っても、きかない、/やりも、矢も、もりも用をなさない。
41:27 これは鉄を見ること、わらのように、/青銅を見ること朽ち木のようである。
41:28 弓矢もこれを逃がすことができない。石投げの石もこれには、わらくずとなる。
41:29 こん棒もわらくずのようにみなされ、/投げやりの響きを、これはあざ笑う。
この生き物に対しては、人間の剣や槍、矢も、鉄の武器も石の武器も、何の役にも立たない。
41:30 その下腹は鋭いかわらのかけらのようで、/麦こき板のようにその身を泥の上に伸ばす。
41:31 これは淵をかなえのように沸きかえらせ、/海を香油のなべのようにする。
41:32 これは自分のあとに光る道を残し、/淵をしらがのように思わせる。
この生き物はとても巨大で、それが通った後は、白い泡が輝き、海がなべのように波立つという。
くじらが通った後がまさにそうだが、レビヤタンはそれ程、あるいはそれよりもっと巨大な生き物なのだろう。
41:33 地の上にはこれと並ぶものなく、/これは恐れのない者に造られた。
41:34 これはすべての高き者をさげすみ、/すべての誇り高ぶる者の王である」。
神はレビヤタンをこのように、全ての獣の頂点に立つものとして、すべての誇り高ぶる者の王として創られた。
イザヤ27章では、このレビヤタンを処罰する事が記されている。
イザヤ27:1 その日、主は堅く大いなる強いつるぎで逃げるへびレビヤタン、曲りくねるへびレビヤタンを罰し、また海におる龍を殺される。
この章の前後は、イスラエルやその周辺諸国に対するさばきの預言が続く箇所なので、この箇所では、レビヤタンをバビロンやエジプトなどの神の民に対し逆らう強大な国になぞらえているのかもしれない。
なお、詩篇104篇では、レビヤタンは主が創られた海の中で戯れるものとして描かれている。
詩篇104:24 主よ、あなたのみわざはいかに多いことであろう。あなたはこれらをみな知恵をもって造られた。地はあなたの造られたもので満ちている。
104:25 かしこに大いなる広い海がある。その中に無数のもの、大小の生き物が満ちている。
104:26 そこに舟が走り、あなたが造られたレビヤタンはその中に戯れる。
104:27 彼らは皆あなたが時にしたがって/食物をお与えになるのを期待している。
104:28 あなたがお与えになると、彼らはそれを集める。あなたが手を開かれると、彼らは良い物で満たされる。
104:29 あなたがみ顔を隠されると、彼らはあわてふためく。あなたが彼らの息を取り去られると、彼らは死んでちりに帰る。
104:30 あなたが霊を送られると、彼らは造られる。あなたは地のおもてを新たにされる。
結局、このレビヤタンという尊大な生き物さえも、主が創造された生物の一つであり、彼らが食べる食物は全て主が備え、また、主がその息(ルアハ:霊)を取り上げると、それはちりに帰る以外に無い。
まことに主は、この地上に何億羽いるか分からない、からすの子一羽一羽にさえ食べるものを与え、すずめの一羽さえ、主の許可なしには地に落ちる事も無い。
こんな小さなすずめの一羽から、巨大なレビヤタンに至るまで、全てのいのちを養い、命のいとなみを管理しておられる主のみわざは、まことに計り知れない。
私達・キリスト者は、このヨブ記38章から41章の創造主のみわざの素晴らしさ・不思議さ・偉大さを見る時、ただそのすごさに驚き、感動し、喜びわくわくする箇所であるが、神を敬わない者達には、嫌われ蔑まれる箇所であろう。
人は、神を敬うと敬わないとに関わらず、やがてはヨブのように、偉大な創造主の御前に立たなくてはならない。
ヘブル12:22 しかしあなたがたが近づいているのは、シオンの山、生ける神の都、天にあるエルサレム、無数の天使の祝会、
12:23 天に登録されている長子たちの教会、万民の審判者なる神、全うされた義人の霊、
12:24 新しい契約の仲保者イエス、ならびに、アベルの血よりも力強く語るそそがれた血である。
12:25 あなたがたは、語っておられるかたを拒むことがないように、注意しなさい。もし地上で御旨を告げた者を拒んだ人々が、罰をのがれることができなかったなら、天から告げ示すかたを退けるわたしたちは、なおさらそうなるのではないか。
私達は、私達の身代わりに処罰を受けられ、全能なる神の御前に私達を執り成して下さった大祭司、イエスキリストのゆえに、大胆に恵みの御座に近づく事が出来るのである。
ヘブル4:14 さて、わたしたちには、もろもろの天をとおって行かれた大祭司なる神の子イエスがいますのであるから、わたしたちの告白する信仰をかたく守ろうではないか。
4:15 この大祭司は、わたしたちの弱さを思いやることのできないようなかたではない。罪は犯されなかったが、すべてのことについて、わたしたちと同じように試錬に会われたのである。
4:16 だから、わたしたちは、あわれみを受け、また、恵みにあずかって時機を得た助けを受けるために、はばかることなく恵みの御座に近づこうではないか。
私達はただ、主イエス・キリストに誉れがありますように、と賛美するのみである。