メッセージ - 強大な獣の前にただ諦めるしかない人間、それを捕獲し裁いて下さる全能の主(ヨブ記40章)

強大な獣の前にただ諦めるしかない人間、それを捕獲し裁いて下さる全能の主(ヨブ記40章)

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礼拝メッセージ説教音声配信 » 講解説教(旧約) » ヨブ記
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pastor 2018-8-3 19:00

強大な獣の前にただ諦めるしかない人間、それを捕獲し裁いて下さる全能の主(ヨブ記40章)
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主はあらしの中から現れ、天地全ての被造物の偉大さ、精巧さを示し、ご自身の圧倒的な創造のみわざと権威をヨブに示されたが、ここで一区切りしてヨブに問いかける。

40:1 主はまたヨブに答えて言われた、
40:2 「非難する者が全能者と争おうとするのか、/神と論ずる者はこれに答えよ」。

自分を義とし、全てを支配しておられる全能なる主の支配を不当だとする性質こそ、滅びと災いの性質である。
主は、ヨブからこの性質を取り除こうとして、これら一連の事を起こされ、そして主と向き合わせ、主は全ての物事を正しく最善に支配しておられる様を示されたのだ。

40:3 そこで、ヨブは主に答えて言った、
40:4 「見よ、わたしはまことに卑しい者です、/なんとあなたに答えましょうか。ただ手を口に当てるのみです。
40:5 わたしはすでに一度言いました、また言いません、/すでに二度言いました、重ねて申しません」。

これがヨブの神に対する最初の回答であるが、全能なる主の御前には、これでは不十分だった。
ヨブはただ「自分は黙ります」と言っただけで、自分がどう間違えていたのか、神はどういうお方であるのか、一切言及していなかった。(なお、それは、第二回目のヨブの回答の中にはある)

親が子供を、どんなに雷のような声で叱り、それに対し子供が黙ったとしても、もし子供がまだ親を非とし、自分を善とする「一物」を心にかかえたままだったなら、かえって、その「懲らしめ」は逆効果となってしまい、内に閉ざした怒りをふつふつと燃え立たせ、もっと悪い事をする。
ヨブの中には、まだまだ扱われなくてはならない「一物」があった事を主はご存知で、それを徹底的に取り除くために、ヨブに第二回目の挑戦をされる。

40:6 主はまたつむじ風の中からヨブに答えられた、
40:7 「あなたは腰に帯して、男らしくせよ。わたしはあなたに尋ねる、わたしに答えよ。
40:8 あなたはなお、わたしに責任を負わそうとするのか。あなたはわたしを非とし、/自分を是としようとするのか。
40:9 あなたは神のような腕を持っているのか、/神のような声でとどろきわたることができるか。

主は、ご存知だったのだ。
彼の中に、なお、主に責任を負わそうとし、主の側に非があって自分を善としようとする片鱗が、まだあった事を。
主はそんなヨブに対し、「あなたは腰に帯して、男らしくせよ。わたしはあなたに尋ねる、わたしに答えよ。」と、挑戦する志がまだあるなら、答えてみよ、と促す。

40:10 あなたは威光と尊厳とをもってその身を飾り、/栄光と華麗とをもってその身を装ってみよ。
40:11 あなたのあふるる怒りを漏らし、/すべての高ぶる者を見て、これを低くせよ。
40:12 すべての高ぶる者を見て、これをかがませ、/また悪人をその所で踏みつけ、
40:13 彼らをともにちりの中にうずめ、/その顔を隠れた所に閉じこめよ。
40:14 そうすれば、わたしもまた、あなたをほめて、/あなたの右の手は/あなたを救うことができるとしよう。

主は、ヨブの中にある「自分こそ正しい」などと思っている根っこを、徹底的に取り除くためにチャレンジを与える。
あなたは高ぶる者を低くかがませてみよ、悪人をその所で踏みつけ、ちりの中に埋め、閉じ込めよ、と。

一切の悪しき者・高ぶる者の親玉はサタンである。ヨブは、このサタンを前に、何も為す術がなかった。
そんなヨブに対し、あなたはそのサタンを、縛り付け、よみに落とし、閉じ込める権威があるのか、と問われる。
それは、人には出来ないが、全能なる主はやがてそれを実行して下さる。(黙示録20章)

ヨブを酷く打ち、人にはどうする事も出来ないサタン。
主はそれを縛り、打ち負かす事が出来る事を示されるために、人間には如何とも出来ない凶暴な2つの獣について語られる。

40:15 河馬を見よ、/これはあなたと同様にわたしが造ったもので、/牛のように草を食う。

河馬と訳された語は、ヘブライ語ではベヘーモースであるが、これはどうも、あの動物園などにいる河馬ではなさそうである。
『ベヘーモースは「獣」という語の複数形であるが,動詞は単数形なので,ある特定の動物を指している.複数形は尊厳を表すもので,後述するように,これが普通の動物でないことをほのめかしている.70人訳は「動物」(複数)と訳し,多くの英訳はbehemothと音訳している.
日本語の聖書は文語訳,口語訳,新改訳共に「河馬」と訳している(新共同訳「ベヘモット」)が,これは,牛のように草を食べ,がっしりとした体格をし,葦の茂みに横たわるという描写から,ナイル川に住む河馬を指すという理解に基づいている.しかし河馬の描写にしては大げさすぎるし,ここでは人間には制御出来ないことが強調されているのであるから,河馬ではあり得ない.外典のエズラ記(ラテン語)6:49‐52には,神が創造の5日目にベヘモットとレビヤタンを造り,ベヘモットには1千の山のある土地を与え,レビヤタンには海を与えられたとある.』(実用聖書注解)

40:16 見よ、その力は腰にあり、/その勢いは腹の筋にある。
40:17 これはその尾を香柏のように動かし、/そのももの筋は互にからみ合う。
40:18 その骨は青銅の管のようで、/その肋骨は鉄の棒のようだ。
40:19 これは神のわざの第一のものであって、/これを造った者がこれにつるぎを授けた()。

ベヘーモースは、神のわざの第一のもの、とまで神ご自身が語っている。
19節後半は、KJVでは”he that made him can make his sword to approach unto him.”すなわち、ただこの獣をつくったお方のみが、彼に剣を持って近づく事が出来る、という意味である。
人は、河馬やライオンさえ、自分の力ではどうにも太刀打ちできない。それを前にして逃げる事が出来ないとしたら、ただあきらめる以外に無い。
ましてや、ベヘーモースのような伝説的な巨獣を前には、何もできない。
さらにはサタンという、それらをもっと上回る凶悪な存在を前に、人はまったくもって無力である事は、ヨブ自身が経験した所である。

40:20 山もこれがために食物をいだし、/もろもろの野の獣もそこに遊ぶ。
40:21 これは酸棗の木の下に伏し、/葦の茂み、または沼に隠れている。
40:22 酸棗の木はその陰でこれをおおい、/川の柳はこれをめぐり囲む。
40:23 見よ、たとい川が荒れても、これは驚かない。ヨルダンがその口に注ぎかかっても、/これはあわてない。
40:24 だれが、かぎでこれを捕えることができるか。だれが、わなでその鼻を貫くことができるか。

人は、このような獣を前にすると、「あきらめ」を納得する。
しかし神は、ベヘーモースも、さらには、それを上回るサタンさえ、剣と縄をもって縛る事がおできになる。
サタンは、ヨブを苦しめ、私達を苦しめる、高ぶる邪悪な者であり、私達にはどうにも太刀打ちできないが、神はそれを終わりの日まで拘束し、後には永遠に消える事の無い火の中へ投げ込むお方である。

神は、ヨブが色々と質問した内容には一切、答えず、ただ、主の圧倒的な権威と力、完全なる統治を示された。
それで、ヨブは納得するのである。

もし、ヨブの膨大な質問に、一つ一つ律儀に回答して行くなら、知性としては納得するかもしれない。
しかしその高慢な態度や性質は相変わらず残ったままで、また別の質問を見つけては反抗しに来るものだ。
だから主は、ヨブの問には一切答えず、ただ圧倒的な威力と権威、完全さを示された。

それはひとえに、ヨブ自身の災いをもたらす性質、すなわち、彼の高慢や自己義を徹底的に砕き、後には彼に幸いを得させるためなのだ。

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