メッセージ - 主により頼む者に与えられる保証(詩篇11篇)
主により頼む者に与えられる保証(詩篇11篇)
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聖歌隊の指揮者によってうたわせたダビデの歌
11:1 わたしは主に寄り頼む。なにゆえ、あなたがたはわたしにむかって言うのか、「鳥のように山にのがれよ。
詩篇11篇は、ダビデがサウル王から逃れていた時のものとされている。
ダビデにアドバイスする人は言う。「鳥のように山にのがれよ。」と。なぜなら、以下のたくらみがあるからだ。
11:2 見よ、悪しき者は、暗やみで、心の直き者を射ようと弓を張り、弦に矢をつがえている。
11:3 基が取りこわされるならば、正しい者は何をなし得ようか」と。
無垢な人と悪をたくらむ人とが相対する時、どうしても正しい者のほうが弱く見られがちである。
ことさら、闇からひそかに正しい者を狙い撃ちするような、卑怯な手段を取る場面を想定させられてしまうなら、人は結局、何の為す術もないかのように思わされてしまう。
しかし、このアドバイスをする人の根底に流れているのは「恐怖」であり、この言葉を受けた人に恐怖生み出させ、それに従うなら、根本解決無き、ただ悪者に振り回される生き方を送る以外に無い。
ダビデは、既に結論を出している。
「わたしは主に寄り頼む。」と。
暗闇由来の矢を防ぐために、ダビデは、最善の方法をとったのだ。
エペソ6:12 わたしたちの戦いは、血肉に対するものではなく、もろもろの支配と、権威と、やみの世の主権者、また天上にいる悪の霊に対する戦いである。
6:13 それだから、悪しき日にあたって、よく抵抗し、完全に勝ち抜いて、堅く立ちうるために、神の武具を身につけなさい。
6:14 すなわち、立って真理の帯を腰にしめ、正義の胸当を胸につけ、
6:15 平和の福音の備えを足にはき、
6:16 その上に、信仰のたてを手に取りなさい。それをもって、悪しき者の放つ火の矢を消すことができるであろう。
6:17 また、救のかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち、神の言を取りなさい。
暗闇からの火矢を消すのは、信仰の大盾であり、そして矢を放つ者に対する攻撃の武具は、御霊の剣、すなわち神の言葉である。
ダビデは4節以降、神はいかなるお方であるかを告白し、闇に対して御言葉の剣を差し突きつける。
11:4 主はその聖なる宮にいまし、主のみくらは天にあり、その目は人の子らをみそなわし、そのまぶたは人の子らを調べられる。
ダビデがより頼む主は、聖なるご性質であり、天に御座を据えておられる。全宇宙も、この御方をお入れする事はできない。
神こそ、全宇宙が存在する前から存在し、これらを創造したお方だからだ。
その神が、全地をあまねく見渡し、心が主に向かっている人を探し求められる。
11:5 主は正しき者をも、悪しき者をも調べ、そのみ心は乱暴を好む者を憎まれる。
11:6 主は悪しき者の上に炭火と硫黄とを降らせられる。燃える風は彼らがその杯にうくべきものである。
主は確かに悪者の上に災いを降り注がれる。(詩篇105:32; 創世記19:24; 出エジプト記9:23-24; エゼキエル38:22)
ダビデは御言葉を信仰を混ぜて宣言し、敵に剣を差し伸べ、そして信仰の大盾をかかげ、心が刺し貫かれる事が無いよう防御を張った。
すると実際、その通りになり、ゆえなくダビデを追い回したサウル王は倒れ、代わりにダビデが王となった。
11:7 主は正しくいまして、正しい事を愛されるからである。直き者は主のみ顔を仰ぎ見るであろう。
「直き者」が受け継ぐ分と、悪しき者が受け継ぐ分について、ダビデは37篇でも記している。
37:35 わたしは悪しき者が勝ち誇って、レバノンの香柏のようにそびえたつのを見た。
37:36 しかし、わたしが通り過ぎると、見よ、彼はいなかった。わたしは彼を尋ねたけれども見つからなかった。
37:37 全き人に目をそそぎ、直き人を見よ。おだやかな人には子孫がある。
37:38 しかし罪を犯す者どもは共に滅ぼされ、悪しき者の子孫は断たれる。
一見すると、悪しき者と直き者が相対した時、悪しき者のほうが強いように見えても、実際、残って子孫が増えていくのは直き者で、悪しき者は絶たれて子孫も残らない。
もし世界が、邪悪な者の卑劣と悪辣さが強い者が勝ち残って行く法則であったとするなら、とうの昔に人類はいなくなっている。
ところが今なお人類が生きているのは、悪しき者が必ず滅びるように、そして正しい者が必ず報われるように、世界の均衡を保っておられ法則を定めておられるお方が、正しく力をもって統治をしておられるからだ。
御言葉の法則によるなら、正しい者や柔和な者が地を相続し、彼らは永遠に主と共に統べ治める事になっている。
黙示録2:26 勝利を得る者、わたしのわざを最後まで持ち続ける者には、諸国民を支配する権威を授ける。
2:27 彼は鉄のつえをもって、ちょうど土の器を砕くように、彼らを治めるであろう。それは、わたし自身が父から権威を受けて治めるのと同様である。
ダビデにアドバイスした人は、悪者の強大な罠から、ただ逃れるようにと言った。
しかしダビデは、全てを支配しておられる主を拠り所とし、御言葉の剣を差し出した。
その結果、ダビデが宣言した通りになった。
全てを見ておられる主の御前で、主により頼み助けを求める者に対し、闇から矢を射掛けようなどと思う者は、牝熊を目の前にしながら子熊をさらって行こうとするような者である。
その者は確かに打たれ、主により頼む者は確かに助けを得るのである。