メッセージ - 迫害によって散らされる(ディアスパイロー):神による種の拡散(使徒8:1-4)
迫害によって散らされる(ディアスパイロー):神による種の拡散(使徒8:1-4)
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- 執筆 :
- pastor 2020-1-27 7:00
迫害によって散らされる(ディアスパイロー):神による種の拡散(使徒8:1-4)
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サウロは迫害の意をさらに燃え立たせていた。ステパノの殉教の様があまりにも尊かったから。
世の中で最も厳格に律法を守り行っているはずのパリサイ人さえも達し得ていない、きよく、聖なる趣を、彼が身につけていたから。
そんなはずはない、この「ナザレ派」と呼ばれる新興宗教集団、絶対に何かボロが出るはずだ、と思い、サウロは、クリスチャンと名のつく者達を、男も女も、次々と牢にぶち込んで行ったのだが、彼らの趣も、立ち居振る舞いも、あまり不正が無く、きよい有様だ。
この時のサウロの心情を、使徒26:12-15 の主の言葉から垣間見る事が出来る。
そう、彼は、クリスチャンを迫害する度に、とげのついた棒を蹴るような痛さを感じていたのだ。
クリスチャンを傷つけると、尊い主を傷つけるような痛さを感じる。
しかし他方、散らされたクリスチャン達はどうなったか。
彼らは、イエス様の故にひどい目に遭って、全世界へと散って行かざるを得なかった、というのに、行った先々で、イエス様を伝えて、逆に福音が大いに広がって行ったのだ。
伝えずにはいられないのである。
目の前に、病人、悪霊につかれて苦しんでいる人がいる。そして自分には、ナザレのイエスの御名によって、それらを追い出す事が出来る。
それなら、自然と、病を癒やし、悪霊を追い出すわざをしてしまうのだ。
それで、行った先々で、なんの苦労もなく、無理矢理感も無く、福音が広げられて行ったのだ。
散らされる・・・この原文ギリシア語は、ディアスパイローという。
それは、ディア(あちこちに)+スパイロー(種が蒔かれる)、つまり、人の目から見たら、絶望的な”散らされ”に見えても、実は神による意図的な、種の拡散だったのだ。
4節はディアスパランティス、ディアスパイローの受動態で、一見すると迫害者による「散らされ」であるが、実は、神の主導による「種まき」であり、クリスチャン達は種として蒔かれた、という、偉大なる受動態である。
イエス様は、神の国はどのように育っていくかについて、以下のたとえで私達に教えている。
マルコ4:26 また言われた、「神の国は、ある人が地に種をまくようなものである。
4:27 夜昼、寝起きしている間に、種は芽を出して育って行くが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。
4:28 地はおのずから実を結ばせるもので、初めに芽、つぎに穂、つぎに穂の中に豊かな実ができる。
4:29 実がいると、すぐにかまを入れる。刈入れ時がきたからである」。
蒔かれた状態の種を、スポロスという。
種としては死んでいるが、その本人自身の「死」において、神が大いに働く事が出来る。
成長させて下さるのは、実に、神である。
神のわざが働く種は、いかなるものであるか。
申命記11:10 あなたがたが行って取ろうとする地は、あなたがたが出てきたエジプトの地のようではない。あそこでは、青物畑でするように、あなたがたは種をまき、足でそれに水を注いだ。
11:11 しかし、あなたがたが渡って行って取る地は、山と谷の多い地で、天から降る雨で潤っている。
11:12 その地は、あなたの神、主が顧みられる所で、年の始めから年の終りまで、あなたの神、主の目が常にその上にある。
世の人は、種まきも、水やりも、自分の力や努力でしなくてはならない。
世の宗教は、地図を広げ、リストを作って、しらみつぶし的に家を訪問して布教して行くが、神の国では、神が種まくべき相手を示し、種をまいたなら、成長させて下さるのは、神である。
そこに神が目を留められ、神がケアしてくださり、大いに実りに実らせて行くのだ。
1コリント3:6 わたしは植え、アポロは水をそそいだ。しかし成長させて下さるのは、神である。
3:7 だから、植える者も水をそそぐ者も、ともに取るに足りない。大事なのは、成長させて下さる神のみである。
初代教会は、エルサレムから散らされ、スポロスとなった故に、大いに拡散して行った。
パウロは、まだサウロだった時期から、無意識的に、主の働き人を、全世界へと大いに送り出し、福音を大いに拡散させていたのである。これもまた、人間わざではなく神のわざである。
どんな時、どんな状態でも、絶望する事なく、神が働かれている事を覚えて、神の国をますます広げていく皆さんでありますように!
イエス様のお名前によって祝福します!