メッセージ - 主を敬う人を守り、安全に導いて下さる主(創世記31:1-18)
主を敬う人を守り、安全に導いて下さる主(創世記31:1-18)
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週報/メッセージ(説教)概要
世の中には、過酷な要求をしたり騙し取ったり、契約をころころと自分の有利に変える雇い主も多い。前回登場したラバンはまさにそういう雇用主だったが、主はその下で働かされているヤコブを顧みて下さった。
主は、悪者の道に歩まず、誠実に生きる人にこそ目を留め、祝福し、そのような悪環境から救い出し、さらに優れた所へと導いて下さる。前回の続きからの箇所を見るとそれがよく分かるので、今回も見ていきたい。
『さてヤコブはラバンの子らが、「ヤコブはわれわれの父の物をことごとく奪い、父の物によってあのすべての富を獲たのだ」と言っているのを聞いた。』(創世記31:1) 実際は逆で、ヤコブに報酬として約束したぶち毛やまだら毛の羊ややぎを、ラバンは息子達に渡して3日の道のりの向こうへ移送してしまい、ヤコブはそれを、文句も言わず、少ない残りを飼った。
ヤコブには不利だったが、ラバンは騙しでのし上がる者、ヤコブは全てを支配しておられる神に依り頼む者。軍配は当然、ヤコブに上がる。神はヤコブのものを増やし、ラバン達のものは減って行った。しかし彼らは不都合な事は自動的に人のせいにし、自分達がした悪事を悔い改めず、ヤコブの神を恐れる事もせず、嘘を思い込んで言いふらし、敵対心を露わにして行く。
その時、主はヤコブに現れた。「あなたの先祖の国へ帰り、親族のもとに行きなさい。わたしはあなたと共にいる」と(3節)。そこでヤコブは、ラバンの娘である妻達に伝える。あなたの父の、自分に対する顔つきは変わってしまった。それでも「わたしの父の神はわたしと共におられる。」と(5節)。主は弁護して下さるのだ。
7-9節を読むと、ラバンは何度も報酬を変えていた事が分かる。元々の約束はぶち毛とまだら毛のものが報酬だったが、勝手にそれをぶち毛のもの限定に変更し、自分は儲かってヤコブを貧しくさせようと企んだが、ラバンの口から「ぶち毛のものが報酬だ」と言ったとたん、いのちを支配しておられる主は、ぶち毛をどんどん生まれさせ、それを見たラバンが、やっぱり、まだら毛が報酬だ、と言ったら、今度は主は、まだら毛のものばかりを生まれさせた。
以上のように、いのちも、物も支配しておられる主は、主に忠実に従う神の民が、いかなる領域でビジネスをするにしても、その手のわざを祝福し、悪人の手に陥る事はさせない。
ラバン達は彼が祝福されているのを見てなおヤコブの神に立ち返らず、妬んで罵るが、主は保護される。
『すると御使いは言われた。『目を上げて見よ。群れにかかっている雄やぎはみな、しま毛のもの、ぶち毛のもの、まだら毛のものである。ラバンがあなたにしてきたことはみな、わたしが見た。』(12節) 主は、主の民の悩みをつぶさに見、また追い使う者ゆえに叫ぶ叫びを聞き、その苦しみを知っておられる。(出3:7)
ヤコブは14年間、結婚するために猛烈に働いて何も持っていなかったが、わずか6年で、雇用主であるラバンを追い抜いた。不利な条件で始まり、しかも報酬を何度も変えられたにもかかわらず、である。
主はさらに言われる。『わたしはベテルの神。あなたはそこで、石の柱に油をそそぎ、わたしに誓願を立てたのだ。さあ、立って、この土地を出て、あなたの生まれた国に帰りなさい。』(13節)
ベテル。そこはヤコブにとっての信仰の原点である。その時ヤコブは、兄エサウに命を狙われていたため、杖一本だけで家を飛び出し、その途上、ベテルで石の枕をして一晩寝た。そこで、夢を見た。天から地に架けられたはしごを御使い達が登り降りしており、主は彼に現れて言われた。「わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう。」(創世記28:15) それ以降、ヤコブは確かに守られ、祝福されて来た。
こうしてヤコブは帰る決心をし、ラバンの娘である妻達も賛成だった。彼女達は父から「よそ者(ノクリィ:異邦者、姦通の女)」と見なされ、しかも、花嫁のために蓄えるべきお金も、父に使い果たされてしまったのだ。
こうしてヤコブと妻達は一大決心し、大勢となった子供達や家畜たちを連れて、ラバンの家から脱出する。
その大移動は、危険が伴うであろう事は明らかであり、ヤコブも、自分を殺そうとしていた兄エサウとの確執がどうなっているかを知らない。しかし、確かな主の言葉があり、御旨である事が明らかなのだから、いかにその旅の先が危険なように見えても、進みゆくべきである。これは私達の場合も一緒だ。
ただ主の言葉だけを頼りに出て行く。ヤコブにベテルで現れた主は、その20年間、主が約束して下さった通り、ずっと真実に導き続けて来られた。そして、これからもそうだと信じて、彼らは出て行く。この主は、今も変わらず、信じる私達を、導き続けて下さる。恐れる事なく主と共に歩み行く皆さんでありますように!